SLツーシン

いつもSmileでいたいと願うLeaderの、日々の気付きをとりとめもなく書き留めたブログです。

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スマイルズの世界的名著 自助論

年末休暇に入り、時間ができたので以前から気になっていた古典ものを読んでみました。
このスマイルズ自助論は1858年に出され、日本では福澤諭吉の『学問のすすめ』と並んで読まれたという明治の大ベストセラー『西国立志編』の現代語訳版です。

「天は自ら助くるもの助く」という自助独立論を説いた古典です。

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫
Samuel Smiles 竹内 均
483797239X



「勤勉であれ」「勉強をしろ」「向上心を持て」「人格者であれ」
これらのメッセージをありとあらゆる引用で繰り返し語った本です。

当たり前のことを正論ぶって言われると普通、ちょっと嫌悪感を感じるものですが、この本は先人の知恵や言葉を引用することで、その嫌味を感じることなく、素直に内容を受け入れることができます。
それが、100年以上たった今も読み継がれるポイントなのではないでしょうか。

もっとも心に刺さった言葉を記録しておきます。


時間とは消滅するものなり。かくしてその罪はわれらにあり」

オックスフォード大学の日時計に刻まれているというこの言葉。
思うままにならない世の中の出来事のなかで、わずか時間だけは、私たちの自由裁量に任されている。そして、人生と同じように時間も、ひとたび過ぎてしまえば、二度と呼び戻せない。
「世俗の富なら、過去に放蕩の限りをつくしても、将来倹約に励めば、それでつり合いがとれるかもしれない。だが、“今日浪費した時間は、明日の時間を借りて埋め合わせよう”などと誰が言えようか?」


1日15分の使いみちが人生の明暗を分ける

ビジネスに携わる人間はよく、「時は金なり」ということわざを引用する。
むしろ正しくは「時は金以上なり」というべきだ。




「時間」というものに焦っている意識が強かったのかも知れません。
年末という時節柄からなのか。40歳という年齢からなのか・・・。

たぶん、後者でしょうね。




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[ 2008/12/29 16:43 ] 書評 | TB(0) | CM(0)

ゲームニクスとは何か

ゲームニクス理論を提唱されている、立命館大学教授、サイトウ・アキヒロさんの話を聞くチャンスがありました。

ゲームニクスとは何か―日本発、世界基準のものづくり法則 (幻冬舎新書)
ゲームニクスとは何か―日本発、世界基準のものづくり法則 (幻冬舎新書)


「ゲームニクス理論」とは、ゲームを“科学”することで、ゲームに隠されている「人を夢中にさせる」ノウハウを抽出して理論体系化したもの、とのこと。

「人を夢中にさせるにはどうしたらいいか」というノウハウは、ゲームを超えて他のメディアやサービスにも応用が効くという著者の考えには、大賛成です。



ゲームニクスの2大目的は
・直感的な操作性
・段階的な学習効果



ゲームニクス
第一原則

直感的なインターフェイス
①入力デバイスと操作性
②デバイス特性にあわせたメニューデザイン

第二原則

マニュアルなしでルールを理解してもらう
①ボタンの信頼性
②導入部でルールを理解
③レベル設定
④ヘルプの工夫

第三原則
はまる演出と段階的な学習効果
①ゲームテンポとシーンリズム
②ストレスと快感
③目標設定
④学習効果

第四原則
ゲームの外部化
①ゲームのシステムを現実世界に持ち出す
②リアルな世界を、ゲーム内に誇張して再現する



印象的な言葉だったのは、第二原則に出てくる「ボタンの信頼性」という言葉です。
ファミコンの場合、Aボタンで決定、Bボタンでキャンセル。これを徹底する。

そうすると、どんな場合でもBボタンでひとつ前に戻れるということがわかっているので、安心してAボタンを押すことができるというのです。そして、無意識のうちに操作性に気を使うことなく、ストーリーやゲームに没頭していくことができるのです。

その前提としては、しっかりとした階層型メニューとA・Bボタンの関係を徹底してつくりこんでおく必要があるのですが・・・。


著書の中には、スペック的にはどうやっても有利なPSPに対して、なぜ、DSが勝つことができたのか?ということが述べられているのですが、この部分を読んで、イノベーションのジレンマを思い出しました。


たぶん、一般的なアンケートやマーケティング手法で、商品開発を行うと「PSP型」の商品になってしまうのでしょう。
それは、日々の仕事のことを考えると、痛いほどよくわかります。
普通に聞けば、お客様はより高性能、高機能、付加価値の高い存在を求めるからです。

でも、任天堂はもっと深い、人間の行動パターンを分析し、アンケートの解答には出てこない本質的な欲求・提供価値というもの見抜いていたのでしょう。

PSPもDSと同じく、顧客志向の塊だったと思うのです。
前評判はPSPの方が有利だったと記憶しています。

どうやったら、「DS型」の商品開発ができるか。
「PSP型」でも大はずしはしないと思いますが、「DS型」のようなブルーオーシャンな存在が出たときに、一気にに陳腐化してしまいます。

非常に勉強になるお話と、本でした。



P.S.
実際のゲームに、ゲームニクス理論がどれくらい実現されているのか?
と思い、息子に頼んでDSの「星のカービィ」をいっしょにやってみました。
通信機能を使って、お助けキャラみたいなのを操作できるヤツです。

マニュアルなしに、と言ってましたが、ゲームの出だしに思いっきり操作方法の
チュートリアルが3分くらい続きます。

そして、ABボタンだけでなく、XYボタンもあるし、LRボタンまであります。
DSだから、当たり前ですが。すべてのボタンを使わないと、ゲームできません。

息子からは「ああ、そこでX!」 「ちゃんと防御しなきゃ、Lボタン!」と
いろいろ言われますが、さっぱりできません・・・。

理論を実現するのは難しいですね・・・。


[ 2008/12/21 22:45 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)

噂のジェットストリームを使ってみた

レバレッジシリーズの本田尚之さんが、著書で絶賛しておられた、
ジェットストリームボールペン

1本150円なので、試してみました。

店頭で試し書きしたところ、確かに圧倒的になめらか。
0.7ミリと1.0ミリがあるのですが、私は1.0ミリの方を選びました。

お気に入りの筆記用具を使うと、メモるのが楽しくなりますね。


三菱鉛筆 ジェットストリーム(1.0m/m)【赤】 SXN15010.15
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ■書きやすさは世界一だと思います。開発者に感謝!!!


ちなみに、シゴタノ!大橋悦夫さんも、これの三色バージョンをつかっているようです。
「スピードハックス」大橋さんの文具術

こっちの方がよさそうですね・・・。

三菱鉛筆 ジェットストリーム 3色ボールペン 0.7mm【ブラック】 SXE3-400-07
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5 今までの人生の中で、最高のボールペンです!

[ 2008/12/21 00:19 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

島田亨楽天球団社長による、プロ野球ビジネスにおけるブランディング

楽天球団代表取締役社長オーナー島田亨さんのお話を伺いました。
本質眼ー楽天イーグルス、黒字化への軌跡

島田亨さんは、リクルート出身。
現USEN社長の宇野康秀さんらととも89年に
インテリジェンスを立ち上げられ、その後上場までされました。
上場後、副社長という立場を離れ、投資家として個人的に
いろいろな業種の会社経営に携わられた(ている)企業経営の
スペシャリストです。

日本では、こういう、業界を問わずに経営手腕を発揮される
方というのは少ないのではないでしょうか?

こういう方の手にかかると、ビジネスの諸問題というのが、
単純な問題のように思え、会社経営というのが簡単なことのように、
一種のマジックを見せられているような感じに思えるのが常ですが、
今回の楽天球団の経営(ブランディングの部分のみでしたが)
に関しては、非常に地道な努力の積み重ねを粛々と実行
していく、辛抱強い経営者としての姿のみが感じられました。

やはり、具体的な打ち手に関しては、地道にひとつひとつを
実現していくしかないんだということがよくわかります。



二宮さんとの対談の中で、野村監督の契約期間を1年と決めてしまっている
ことに対する質問がありました。

「どんなに、成功しても、たとえ優勝しても1年で終わりですか?」
意地悪な質問に対しても、信念を持ってはっきりと答えておられました。



どこで変わっていただくかということを
経営がぶれないように決めなくてはいけない。

結果として返り血を浴びることがあるかもしれないが、
それは予測できるはず。経営が腹をくくるしかない。

勝っても負けても野村さんは1年限り。




この言葉を聞いて、球団経営における経営者としての島田さんの
強い意志と姿勢を感じました。

そのほかの質問に対しても、しっかりと考えを持って持論を明確に
展開される姿が印象的でした。
わからないことは「わからない」と答える。
これは、相当に自信がないとできないことです。

経営者としては、想定される事柄にすべて自問自答して、答えを
持っておくべきである。そして、決めたことはぶれないように実行するのみ。

そういう、経営者の矜持のようなものを感じました。
それが一番の印象です。

(以下、備忘録メモです)
[ 2008/12/19 00:00 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)

小山龍介さんのブログで紹介されました

14日更新のスタディハックの感想
小山龍介さんの スタディハック! を改めて読んでみた
が、小山龍介さんご自身のブログで取り上げられました。

Ryu2Republic -小山龍介 ブログ-

小山さん、ありがとうございます。

こうして、いち読者が著者とつながっていけるのが、ブログのいいところですね。

[ 2008/12/16 00:00 ] Web | TB(0) | CM(0)

誰かに伝えたくなるプロモーション

バイラルマーケティングのお手本のようなサイトを見つけました。
http://www.thecoronabeach.com/

なんか、こんな仕事してみたい。

















コロナビールのブランディング用のウェブサイトです。
サイトが分かりにくいつくりになっているのも、ひとつの手法ですね。

ちなみに、上側のイラストは自画像のつもりです。
ちょっと、しもぶくれ??

[ 2008/12/14 22:40 ] Web | TB(0) | CM(0)

小山龍介さんの スタディハック! を改めて読んでみた

社会人にとっての勉強は「今まで経験したことを忘れる」という
ゼロリセットのチャンスである。と冒頭の前書きにありました。
なにか、ゼロリセットしたかったのかもしれません。

書いてあったことをすごく素直に受け取ることができました。
STUDY HACKS!
ライフハックのエンジンとしての「勉強法」の具体例がたくさん載った本です。

とくに第1章、2章の「ツールハック」「環境ハック」はすぐにできることばかりなので、さっそくいろいろ試してみました。

・iPodを英単語帳として使う
・ヘッドホンで別荘を手に入れる
・マインドマップで全体像を把握する
・モバイルパソコンで人に教える
・はてなブックマークをRSS購読する
・自分辞書をつくる
・100円ノートを多機能ノートに変える

・お気に入りの喫茶店を勉強部屋にする
・自習室を借りて勉強する
・香りで集中力をコントロールする
・お経を聞いて集中する
・締め切り効果を使った図書館活用法


以上が、今週実践した「スタディハック」です。
これまでにも似たようなことを試していたり、すでにツールは持っていたり、ということも多かったのですが、ノートを買いに行ったり、久しぶりにアロマをやってみたり、楽しい1週間でした。

一番はまったのは、なんと「お経」です。
小山さんが勧めたいらっしゃったのは、「理趣経」という密教の経典。

ちょうど、お経のCD付きの本があったので、聞いてみました。
(本は読んでません)

今も聞きながらこのブログを書いているのですが、不思議と集中できます。
なんというか、トランス状態というのでしょうか、ふっと読経の声が意識から消える状態があるのです。その瞬間はすごく集中している感じがします。

図説「理趣経」入門
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興味のある方はどうぞ。





[ 2008/12/14 00:00 ] 書評 | TB(0) | CM(0)

仕事を楽しむライフハック 小山龍介さん

ハッキングとは問題解決を鮮やかな手法でやってしまうこと。
「ちょっとしたコツ」とか、「楽になる仕組み」とか、そういう意味です。

今回のテーマである「ライフハック」とは、夏目漱石の言葉を借りて
「人間活力の発現の経路」であると、小山龍介さんは説明していました。

小山龍介さんは「ハック」シリーズで著作も多く、本業は松竹で
「歌舞伎美人(かぶきびと)」
「松竹歌舞伎検定」などの
事業を担当されている方です。

STUDY HACKS!    TIME HACKS!    IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣

これらの著書をぱらぱらと見たことがある私は、たくさんの「ハック」を教えてもらって、スッキリして帰ってくるつもりでした。

しかーし、意外なことにお話しは「複雑系」「カオス理論」「ポランニーの暗黙知」
といった哲学的なアプローチに始まり、期待していた目の前の「ハック」に関しては
ほとんどお話がありませんでした。

「ライフハック」とは方法論ではなく「哲学」である。
そういうことに気付きました。

特に印象的だったのは、
「ものすごく、乱暴に言えば・・・」と前置きしつつおっしゃっていた、

「ロジカルシンキングは此岸から彼岸へ、順路をたどっていけば、必ずたどっていけるという考え。」

「それは蛮勇ではないか。そこをつなぐのが、ライフハック的アプローチ」

同様に、キリストの「父と子と聖霊」の関係を例えに使い、

「此岸と彼岸は、父と子の関係。聖霊はハック的存在。」とまで、おっしゃった。

「彼岸と此岸をつなぐリンク=暗黙知」 なのだそうだ。

たぶん、講演を聞いていない方にはなんのことかわからないと思いますが。
私にはガツンと来るメッセージでした。


私自身、今、自分が身を置いているビジネスの世界の基本的な
アプローチを否定された気がして、ちょっと、戸惑った。
いや、ちょっとむかついた。(笑)

しかし、よーく考えると、そういう「非連続」なアプローチの必要性を
証明する事例はいくらでもあるし、そのなんのヒントも見えないような
「非連続」に対応する対処方法を、少し法則化してくれるのが「ハック」
なのではないかと、思い至りました。

というのも、小山さん自信、MBA的なアプローチの権化のような方なんです。
アメリカでMBAを取得して国際的な仕事をバリバリこなして来た方ですから。

そんな小山さんが、たぶん、そのMBA的アプローチに行き詰った結果、
至った思考法が、「ライフハック」なのではないか、と思ったのです。


最後にラスト5分で教えていただいた、仕事に活かせる「ライフハック」の
具体的なアプローチについて記録しておきます。

□順番を変える

分類してから収納→収納してから分類する
情報を集めてから結論をだす→結論を考えてから情報を集めるなど。

□環境を変える
場所を変える、観葉植物を変える、デスクトップを変える
USB接続のアロマデフューザーなど

□体を動かす
イチローの試合に集中するための動作とか
毎朝の動作。パターン化して一番いいやりかたをやる
腹式呼吸、あぐらをかく

□感情を動かす
頭で覚えたことは忘れる。心で覚える。
ある瞬間また思い出す。
ビジネスマンは心で覚えることを禁止されている。
フィルターでコントロールされている。感情を制限せずに覚えておく。


以上です。
[ 2008/12/07 00:00 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)

棋士 羽生善治 勝負を決める思考法

兼ねてから楽しみにしていた、棋士 羽生善治さんのお話を伺うことができました。
これまでの講演会の中でも、もっとも多くのお客さんが入っており、
予約を取るのも一番大変でした。
期待の通り非常に示唆に富んだ面白いお話をたくさんうかがえたので、
講演中にPCで取っていた発言メモを全文掲載します。

個人的には

■プレッシャーがあるのは、「目標が近づいているサイン」と思うこと。

将棋が強くなる、直感をつかって手が見えるというのは、
いかに無駄な手がみえなくなるか、ということができるようになるプロセス。

■これくらい努力すれば、これくらいの成果が得られるということを
たくさん知っているというのはとても大切なこと。自信につながる。

■(直観力は)自分自身が慣れてない場面、経験値が生かせない場面で
もがくことが一番鍛えれらるのではないか。


これらの言葉が印象的でした。

決断力 (角川oneテーマ21)

以下、講義メモです。

20081201夕学五十講 プロフェショナルの思考法
棋士 羽生善治 勝負を決める思考法

普段の対局の中でどのようなことを考えているのか?
何手先まで読んでいるのか?
というのは難しい質問。

「手を読む」ということを把握するのは難しい。
では、どんな風に考えているのか?

直感を使っている。第一感ですね。
第一感を使って絞っている。

80手あるといわれている、最初の1手のなかで、2つか3つに絞る。
10の20乗くらいの莫大な可能性の手の中で、手を少なくしていく作業。


直感が生まれるプロセス、背景)

直感ひらめきは違う、と考えている。
直感は説明ができる。ひらめきは説明ができない。

概念のない直感は盲目である、という言葉がある

私は将棋のことに関しては直観はあるが、それ以外にはない。

ほんの数秒のことでも、これまでにその人が
培ってきたものがあらわれるのが直感ではないか。

カメラのピントを合わせるときの、焦点の合わせ方のプロセスに似ている。

盤面を瞬間的に見て、可能性を判断する。

それは人間の特長的なところ。コンピュータには直感がない。


ヨットで世界一周したの白石 康次郎(しらいし こうじろう)さんと対談した。

最近ではヨットでも進路決定に機械を使う。衛星を使った予測。
自分の感が冴えているときは、直感で進路を決めて、
自信が持てないときはPCのデータを見て進路を決めたそうだ。

直感は経験を積めば、かなり信頼できるものではないかと思う。


次に「読み」の作業に入る。
よく、何十手も先を読んでいるというけれど、
2、3手先の候補手を選んでも、相当な数になってしまう。
3の10乗とか。

具体的な展開を比較しながらするということもするけれども、
それだけでは判断できない。

大局観」が必要。
大局を見るというのは、木を見て森を見ずの逆のこと。

全体の流れをつかんでいると、直近の手も考えやすくなる。
全体と部分を行ったり来たりしながら決めていく。

これでもほとんどの場合が、どうやっていいか分からないのがほとんど。
何がベストかわからない。

最後は踏み込んで決断しなくてはいけない。

「決断する」というのが、一番難しい。

読む=計算すること

最後、具体的にどうしたらいいのかという踏ん切りは「悩む」ところ。

長考する場面というのがある。
それは考えているのではなく、迷っているというケースがほとんど。
30分も経つと、その局面での大局観は見えてくる。
具体的なうち手をどれにするか悩んで、迷っている。

調子のバロメーターとしては、「見切り」ができるかどうか。

答えがはっきりわからない場面では、なんとか踏ん切りを
つけなくてはならない。

決断するときに大切なのは、集中力。
人間は長時間の集中はできない。

本当に深い集中は2、3時間が限度。
集中できるための、条件もある。

私は普段、日常で集中しようとするとすることがあまりない。

ある意味、切羽詰まった状況というのは、
追い詰められたり、プレッシャーがあったり、そういう状況。
そういう時だからこそ、集中できる。


(プレッシャーの話)

私が色紙に書く言葉として、「玲瓏」という言葉がある。
もとの言葉は「八面玲瓏

意 味: どの方面から見ても、美しく欠点がない。
心中にわだかまりがなく、清らかに澄みきっているたとえ。
また、多くの人との交際を円満に処理するようすのたとえ。


ずっとそういう気持ちを続けていくことは難しい。

そういうときの克服法。

ひとつはプレッシャーがあるのは、
「目標が近づいているサイン」と思うこと。

低い目標にはプレッシャーがかかりえない。
高すぎる目標も同様。

もう少しのところでブレイクスルーできるんだけど・・・
そこそこのところまで来ている。
そういう時にプレッシャーがかかる。


いちばんいい精神状態はリラックスしている状態。
リラックスした状態で「八面玲瓏」がいい

一番いい結果を出すのは、リラックスして楽しんでいる状態。
2番目がプレッシャーがかかっている状態。

ベストじゃないんだけど、まあまあの状態がリラックス状態。

人間にはいろいろな能力があるが、年を重ねるにつれて伸びていくのが
精神力。メンタルの強さは年齢を重ねればよくなる。
ほぼ、伸びていく。




将棋棋士としてやっていくなかで、何を一番の強みにするか?
という問題がある。


情報の問題

情報の取捨選択方法として

ひとつはブランド。(○○さんがやっている、というようなもの)

たくさん情報をあつめて基本的なことを知っているというのは
大前提としてある。それをやっていないと。
同じ土俵に上がれない。


すもうの立会でお互いがまわしを取るまでが、
情報を持っているということ。

どんなに優れた判断力の持ち主でも、両まわしを
がっちりとられたら、何もできない。


一生懸命やっている人たちの中では差がつかない世の中になってきている。

答えがない場面で何をするかが大切になっている。

一昔前はデータを分析するのを軽視する傾向があった。

今は、ある意味、昔と変わっていない。

ただ、そこが似て非なるものである。

昔はその情報を得るのに、かなりの時間と労力が必要だった。


知識を集めることは先入観を作っていること。
新しいことを考えるときに、それが足かせになってしまう。

情報を集めるのは大切だけど、一方でそれを見つめて
ゼロベースで考えることが大切。

PCを使うと1分で対局が見える。
でも1分で見たものはすぐ忘れる。


これは、大事と思う対局は自分でコマを並べて実際に
手を動かしてみる。
五感を使うことが大切。記憶が貯蔵される。




ツキ、運について


きわどい場面になることがある。そういうときは
「指運」という言葉をよくつかう。ゆびうん。

ちょっと他力的なもの。運命的なもの。

将棋は合理的にできている。
最後にミスをしたものが負ける。というゲーム。
最初のミスは帳消しになることがある。
しかし、最後にミスをしたら負けにつながる。


運やツキは魅惑する存在。
運というのは考えるのが楽しい存在。
だれもが関心もってしまう。
だから、みんなギャンブルにはまる。

でも、基本的には実力をつけるのが大切。

実力があれば、(運やツキの)バイオリズムの中で
悪い時が来ても被害が小さくて済む。


ただひとつ、ミスをすれば、運は確実に悪くなる。
状況が悪くなる。

じゃあ、私がミスをしないかと言われれば、
年間約60試合くらいこなす中で、ノーミスということはない。
ノーミスというのは、2年に1回くらいしかない。

ミスを少なくすることは大事。
でも一番大事なのはミスをしたときに何をするか。
どうするか、が大切。

ミスをしたら、しまったと思う。動転してしまう。
次のミスを重ねてしまう。

ミスをしたことで、状況がよくなることもある。
うまくいっている時というのは、流れが見えている時。

ミスをすると流れが断ち切れる。それがより、状況を
混沌とさせる。なので、次のミスを呼びやすい。


私自身、一手詰めをうっかりして、見過ごしたことがある。
普段なら1秒もかからないことを、40秒くらいわからなかった。
その時は血が逆流した。

まさかのことに、相手も動揺していた。

エアポケットや死角に入ってしまうということはある。

ゴルフのパットに例えると、あとちょっとの距離を外すことがある。
最後の着地、ツメのところはちゃんとやらなくてはならない。

棋士としてちゃんとやらなくはならない。



情報の話に戻る。

6次の隔たり、という話がある。
知り合いの知り合いをたどっていくと、世界中のひと全員に
何回でたどり着くか。という実験。
6回で世界のだれとでもつながるという話。

ネットワーク社会の象徴的な話。

どうして、そういうことが起きるのかというと、
すごいターミナルのようになっている人がいるから。
そこを通れば、たどり着きやすくなる。


1回くらいしか会ってないような知り合いがいるということが
大切。まったく関係のないような小さなひとつのつながりが
非常に大切。それが、全体の緊密性に大きな役割を果たす。

たったひとつの、歩の位置ひとつが、全く違う局面になることがほとんど。




巡回セールスマンの問題、というのがある。

一人のセールスマンが10個の街をたどっていく。
最短経路をたどるのに、どのルートを通るのがいいのか?

コンピューターにとって、非常にむずかしい問題。

人間の直感でしか、答が出せない。


将棋が強くなるのは、直感をつかって手が見えるというのは、
いかに無駄な手がみえなくなるか、ということができるようになる
プロセス。


コンピュータというのは、1秒間にいろいろな手を考える。
その手が増えれば増えるほど、高性能。

これは、全く違う方向。

片方は選択肢を狭める考え方。
もう片方は無限に選択肢を広める考え方。

これは、たとえば翻訳なども同じプロセスなのではないか?




今、将棋の世界では違和感がある。

人間がさした将棋と、コンピュータが指したものを
棋譜だけみてわかる状態。今は。私にはわかる。

だけど、これからはわからなくなってくるのではないか。

先ほどの全く違う方向の2つのアプローチ。
双方向から答を見つけて掘ってい行くと、
トンネルの中で繋がる気がする。

チェスの世界ではコンピュータを使うことが進んでいて、
新しいアイデアがひらめくと、ソフトをつかって
そのアイデアをテストする。
新しい手を考える博士と助手みたいな関係。

ひらめきのオリジナリティの価値が広がるかどうかというと
価値が低くなりがち。

だが、お互いの強みを生かしていけば、いいのではないか。
発明と検証の役割分担。

これから先、ますます、役割分担が重要になる。


大山十五世名人という方がいた。
晩年のころ10服くらい対局している。まだ、十代のころ。

こう言うと失礼だが、大山名人はあんまり手を読んで
いるように見えなかった。

まるで絵をみているようだった。
見ているだけのような気がした。
それが、非常に印象強かった。
そのころ、私はひたすら読む将棋。大山先生は全く正反対。



将棋はインドが発祥。
紀元前の話。

サトランガーというすごろくのようなものから発祥している。
戦争好きの王様をいさめるための道具といわれている。

アジアには各国ごとに、ひとつの将棋がある。
タイにも、ミャンマーにも、中国にも、朝鮮にも。
日本には1200年前に入ってきた。

だが、日本の将棋だけは特殊な位置にある。
同じカテゴリーに入れられない。

将棋の駒は全部一色である。これは日本の将棋だけ。
ほかの国は必ず色分けされる。
黒と白、赤と黒、など。


日本の将棋は、取った駒を再利用するから、
同じ色の駒になっている。
ほかの国の将棋は取った駒を使わない。

勝負のプロセスも違う。
日本の将棋は穏やかなスタート。

ただし、取った駒を使えるので、後半になると激しくなる。
これが特徴。

ほかの国は強い駒が多いので、序盤が激しい。
ただ、後半は激しい手が打てなくなる。

日本の将棋はコンパクトにする特徴がある。
これは、将棋に限らない話。
短歌や俳句などもおなじ。

能もおなじ。
仮面をつけて、表情を分からなくする。
お茶も4畳半のなかで表現する。

伝統的な世界だけでない。
アニメーションも。1秒間に多くのコマ数を入れることができる。

今も昔も変わらないような気がする。略語もそう。

コンパクトにする習慣がある。

最近よく、日本の産業、市場が「ガラパゴス」であるといわれる。
特殊な環境といわれる。

将棋も、他の国は兄弟のようなものだけど、日本の将棋は
明らかにほかのものと違う。

日本語もほかの言語とは明らかに違う、孤立した言語。

最近はそういうことを感じている。

これがルールにもかなり反映されている。
将棋には、細かいルールがない。

「待った」や「助言」に対する禁止事項もない。
性善説で成り立っている。

ただ、これが国際的に広まるときには性善説だけのやり方では
問題になるということがあるかもしれない。


象徴的なことがある。

(実はチェスの世界では今はないのだが・・・)
将棋やチェスでは、ひとつの試合を2日に分けて、対局することがある。

1日目が終わったときに、将棋の世界では誰とも相談しない。
それが、暗黙のルール。

チェスの世界では、当然、仲間やコーチと相談する。
禁止をしてもみんな絶対に(カンニングを)やるんだから、
OKにしてしまおう。という考え方。

今はチェスは2日かけてやることはなくなった。
チェスはコンピュータによる解析が進んでしまったから。
なので、やらなくなった。
一晩かけて、すべて解析してしまう。

将棋もそうなってしまうかもしれない。

将棋の世界でも、終わりの部分ではコンピュータが強い。
反省会のようなときに、コンピュータ解析にかけて
「これは○手で詰みます」といわれることがある。
自分はまだ考えているのに。
そう言われると複雑な気持ちになる。


(話は急に変わり・・・)

世界情勢など、今年もいろいろあったと思うけれど、
そんな中でどう過ごせばいいのだろうか?

最近は、スイスっていう国のことを考える。
永世中立国。
のどかな牧歌的な場所というイメージ。
だけど、金融の中枢であったり、芸術的な絵画もたくさんある。
家を立てるときに核シェルターを設置する義務があるとか。
バチカンの衛兵もスイスから行く。
国際機関がジュネーブに集中している。

(スイスという場所は)
守る役目をはたしている場所。
何かあったときに、守る場所。
守るための知恵が集約されている場所。

日本の場合もルールがあっても、習慣は別にあったり。
ダブルスタンダード。良く言えば二枚腰。
二枚腰的なものが必要となる。

自分自身の中でも二枚腰的なことが必要なのではないかと思う。



あと2年。将棋を始めて25年たつと勤続表彰をされる。

何歳になったからとか、何年経験を積んだからということではなく、
常にスタートラインに立つというということは変わらない。

マラソンのような感じ。将棋の世界は
10代から70代の人までいる。
あまり一つのことに一喜一憂したくない。


(講演の内容は以上。以下質疑応答)


============================

プレッシャーについて 
失敗が許されない状況でのぶれない気持ちの保ち方とは?

(問題を)
抜け出す方法は一つだけではないと思う。
そう考えることで、余裕が生まれる。

追い詰められることが自分自身の力を発揮するきっかけとなる
と思うようにしてみる。

気分を変えることも有効。行動を変える。
考えをかえるのは、体を動かすのがいい。
散歩とか。

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過去の自分と対戦したら。今の方が強いと実感するポイントは?


アスリートの人たちも、イメージとしては進歩しているはず。
ただ、そのとおりに動けないだけ。

将棋はそういうことがない。
イメージした通りに動ける。

昔より、将棋は理解しているけども、勝てるかどうかはわからない。
それが、面白いところ。
一局の勝負となるとわからない。


旋盤工の人の話がある。
旋盤工の人は音を聞き分けている。

日野 晃ひの あきら)さんという武術の方に話を聞いた。
武術は一瞬の中に、今までのすべてを使うことができるのが力量。

使えるようになるかどうか。使えるということに関しては
今の方が伸びていると思う。

迷いなくいけるか、とか、平常心とかを続けられるということ
であれば伸びていく。


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二枚腰という表現について。

わかりやすく明解に考えていくことも必要だが、それ以外に
答えを見つけない方向で考えてみるとか、
いろんなアプローチを考えられることが二枚腰につながっている。

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羽生さんの著書に合った言葉。
直感は経験で磨く。
成長は続けること。
1日2時間20年。続けることの極意とは?


これくらい努力すれば、これくらいの成果が得られるということを
たくさん知っているというのはとても大切なこと。

あることを、これくらい時間かければ、できるようになる
という経験をたくさん積んでいくことで、不安がなくなる。

結果が出ない状態の時に自信を持てるようになる。

今やっていることが明日でることや、1カ月後にでることはない。

時間がたってから効果や実感が出てくる。

あまり期待しすぎないということが大切。


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10代の時の定石は役に立たない。
でも、それが無意味だったとは思わない。

何か知らないものに出会ったときに、自分なりにもがいて
体得したという経験は必ず自分自身の財産になる。

直接的な因果関係を考えると落ち込むが、必ずそれは
自分に返ってくる。

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将棋においても、小学生のころに磨いたカンというような
ものが大きな力になるということはあるでしょうか?

ひらめきと直感のひらめきの方。

何歳からでもできるけども、10代から始める人が多い。
10代の前半において骨格が決まるということがある。

あとは筋肉がついていく。

10代の後半から覚えた人の特徴は論理的に考える特徴がある。
子供の時は論理的に考えられないので、直感的に考える。
どちらが強いということはないが、始める時期による
その特徴の違いというのは、はっきりとあると思う。


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コンピュータが発展するにあたって、将棋のルールを
変えるっていうこともある(必要)のではないか。
手待ちするという中でパスをするという選択肢が
増えれば、かなり変わるか?


将棋の局面ではパスしない方がいいはず。
0.001%くらいの確率ではパスが有利な局面がある。

パスを導入しても、千日手が増えるくらいかな?
ルールの改編は400年近く変わっていない。なかなか
大きな決断になる。

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なぜ、将棋で成功したのか?

今の方が忘れっぽくなった。小さい頃は勝ち負けの悔しさ
うれしさを覚えていた。今の方が結果を受け入れる。
深く深刻に考えないようになった。

そうでないと、将棋は責任転嫁できないので、負けた時に
100%自分の責任になるので、つらくなる。

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将棋を世界に普及する考えは?

山形県の天童市で世界将棋フェスティバルがあった。

その時に世界から来ている人に聞いて驚いたのだが、
今は重要な対局のインターネット中継を見ている人が多い。
少しずつ、広まっていけばいいなと思っている。

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直感力の鍛え方。

自分自身が慣れてない場面、経験知が生かせない場面で
もがくことが一番鍛えれらるのではないか。

もがいているうちに泳ぎ方を覚える。そんなイメージ。

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「普通の人ではない」という他人からのイメージに対して、どう思うか?

将棋の世界は特殊。世間から隔離された世界なので、
私自身は変わった道を歩いてきていると思う。

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将棋とディーリングの共通点
いつか勝てなくなるということについて。
外部要因 年齢とか家族とかのことで守りに入ってしまう要因とか。
共通点はないでしょうか?

あると思う。
お互いに日進月歩のなかできわどい勝負をしている。
年齢的なもののなかで、守りに入るという姿勢ということが
後退につながることはある。

たとえば、親子くらいの年齢の差があるときに
あこぎなまで、勝ちに行けるかどうか、という不安がある。
自分はまだないが、自分の子供の世代に全力で勝ちに行けるか
不安なところがある。(苦笑)

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[ 2008/12/06 00:00 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

松崎哲也 (love365)

Author:松崎哲也 (love365)
ベネッセで雑誌とWebのメディアマーケティングを担当する部門のブチョー。ソフトバンク・アカデミア外部1期生(現在参加中)。
「発信内容は個人の意見であり、必ずしも組織の見解と一致しているわけではありません」

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