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いつもSmileでいたいと願うLeaderの、日々の気付きをとりとめもなく書き留めたブログです。

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ヒット商品の火付け役 雑誌マートにみる消費を動かす力

この出版不況&雑誌部数低迷のなか、毎年着実に2-30%部数を拡大し、広告は多い月では対前年300%! 業界ではクライアント各社が「Mart詣で」をし、主婦誌では一人勝ち状態が続いている「Mart」。
そんな光文社Mart編集部 編集長大給近憲(おぎゅうちかのり)さんの講演を聞いてきました。

今の「Mart一人勝ち」の状況を決定的にしたのは、今年1月の日経新聞の記事。

日経新聞の記事リンク(右上のバナーから)


流行らせたといわれているのは、桃屋のラー油、P&Gの柔軟剤ダウニー、パナソニックのホームベーカリー、スーホルムのエコバック。あとは、貝印さんのシリコンカップ。

今年はテレビで10本ほどの取材があり、今もカンブリア宮殿の取材がついているそうです。
この数年、独自のポジショニングを展開してきた成果が、今、イッキに注目を浴びているように感じます。マスコミ取材って後追いが続くので、一度火がつくと拡散するのですよね。

かなり早口でのお話でしたが、今の私には金言の連続でしたので、気になった点を紹介します。

火付け役としての役割とは・・・
決して一番先に取り上げた雑誌という訳ではない。
何が変わったかと言えば、流通の棚が変わった。
Martがやったのはタナを変えたということ。


実は主婦目線でいうと、ラー油が好きで飛びついたわけではない。具だくさんであるというところとか、「ガーリック調味料」というところに飛びつく。
たまたま、ラー油ということであって、僕らは次もラー油があたるとは思っていない。でも業界の人は、ラー油だと思っている。


ルクルーゼは調理器具というより、インテリア雑貨。
カンターキッチンの向こうにルクルーゼが見えると、なぜかその家が幸せそうに見える。
うちと間取りは一緒のマンションなのに・・・。そう見える。


Martは情報がないと孤立化してしまう主婦のための情報誌として市民権を得ていった。


上から目線ではなく、水平目線。
それをMartはずーっとやっている。
使える情報を吟味していくと、必然的に先生や有名人ではなく、ちょっと上の主婦。
カリスマはいらない。
有名人はいらない。否定するわけではないけれど。
有名人でも水平目線ができる人は出てもらっている。新山千春さんとか。
そいういう風にならずにいられなかった。



モノが売れないからと言って、(通常の)マーケティングをどんどんしていって、セグメントして無駄なものをそいでいって、これで198円でどうだ!というものになりがちですけど、その決めつけがうざい。

主婦からするとマーケティングでがんじがらめにされた商品はうざい。

モノが売れないと、最低限の必要性に絞ってマーケティングしていくんだけれど、さっきの気分のようなものが入ってないと「わかってないよね」につながっていく。
「わかってないね」というのは、セレクトショップ世代にとってはNG。

逆を言うと、気分マーケティングが入っているものは400円でもうける。
安くして気分をそぐのではなく、若干の気分をいれてあげて、わかっている感覚を作ってあげないと。


「遊びしろ」のある商品
限定していって気分を削ぐよりは、遊びしろを残して気分を入れていくのがこれからのマーケティングに大事。


本当にブログやTwitterで時代の気分は見えてくるのだろうか。
モノを投げかける時に、一人称として、見えやすいだろうか。
全体的な時代気分をつかみきれるのだろうか。
一番気を付けないといけないのは、アルファブロガーの周りに、インフルエンサーがいるという構造。
この構図になるところが多い。サル山のボス猿構造。


マートという価値観・媒体があると、握り合っていると、コミュニティの管理がしやすい。
Webだけにすると、どこをよりどころにしていくかがわからない。
雑誌を主体としたコミュニティだと、雑誌がどっちへ向いていくかで参加すべきかどうか判断できる。

Webと雑誌は親和性を持たせながら、相互補完にできる。
Webだけでもスケールメリットはあるけれども、ものを捕まえに行くときにやはり、単純化された構造になりやすい。


(Webコミュニティが)匿名であればあるほど、いいこともある。本音を言い合うのはいい。
旦那のこと姑のこと。それは家庭内に完結すること。
家庭内のことは人に言えないことがあると思うし、無駄じゃない。
でも家庭内のことは人にプレゼンしてなんぼという情報ではない。
それはお互いに言い合って、コミュニティの中で使えるツールにはならない。



講演中、何度も「にぎりあう」という言葉が出てきました。
読者を知り、編集部と読者が価値観をしっかりと握り合っていることが、雑誌というメディアにもっとも求められることではないでしょうか。これは、今に始まったことではなく、雑誌メディアの本質だと思います。

そのことを深く考えさせられました。



全体のお話の流れが見えないとわからない部分もあると思いますので、追記部分に講演中のメモ全文を掲載しておきます。


追記部分は公演中のメモ全文です。

基調公演
ヒット商品の火付け役 雑誌マートにみる消費を動かす力

光文社Mart編集部 編集長大給近憲(おぎゅうちかのり)

毎年度20%くらい部数がのびている。
広告は最大3倍の月も。

今年1月の日経MJの紹介記事がきっかけ。一般の人よりもメディアに注目された。

Mart族というのは日経新聞が命名した。こちらが仕掛けた言葉ではない。
2006年ころの夕刊で小さな記事で取り上げてもらった。

Martの愛読者、Mart族の特長

団塊ジュニアの主婦。デザイン性を重視した家電や雑貨が大好きで、
料理を作るのがすきなだけでなく、その料理を気の利いた食器に盛り付けるのが喜び。
最も興味があるのが、家まわり消費。ちょっとセンスのいい雑貨などが紹介されると、どうしても欲しくなる。
IKEAなどに出没する。

おおむねこんな感じ。


今年は、テレビの取材が増えている。
今もカンブリア宮殿も依頼がきている。年末へ向けて増える。

今年、10本ほどの取材があった。
ズームイン ヒット商品を生んだMart族
ワールドビジネスサテライト 変わる買い方 Mart族とは
やじうまサタデー 顔の見える情報 Martの秘密

特集では具体的には
桃屋のラー油、P&Gの柔軟剤ダウニー、パナソニックのホームベーカリー、スーホルムのエコバック。



紹介前は年間4000個程度の読みだったスーホルムのバッグが、1日に300個売れ続け、おととしの1年間で17万個売れた。
ほとんどMartの独占だったので、Martの影響。アクタスは3ー4億稼いでいることになる。
最近では貝印さんのシリコン食器なども。

こういったものの火付け役として今年は注目されているけれど、火付け役としての役割とは・・・

仕掛け人とかとよく言われるが・・・

これだけは説明しておきたいのですが、
決して一番先に取り上げたという訳ではない。
食の大手おろしの日本アクセスさんがある。そちらの依頼で去年の7月の食の展示会(さいたまスーパーアリーナ)にMartの読者を連れて行った。
バイヤー目線だけでなく、主婦の目線で商品を選んでもらった。
去年7月の展示会。

その時に桃屋さんはブースがあったが、実はメインはラー油ではなかった。
いちおしは「塩だしつゆ」だった。どちらかと言えば、ラー油は影の位置づけだった。

400円のビン詰めはスーパーでは売れないというのが、バイヤー目線。
しかし、いちおしの塩だしつゆではなく、ラー油の方にMart読者は飛びついた。
ベスト10を決めたが、そのなかでダントツ1位が桃屋のラー油だった。

メーカーの思惑を裏切って、1位に選んだのががMart読者だった。

販売が始まるのは9月。その2か月前にMartが1位にしたということで、何が変わったかと言えば、流通の棚が変わった。

実は、塩だしつゆをメインに売り場のタナを作ろうと思っていたが、そんなにMartの読者が推すのであれば、ラー油を全面に出してみようということになった。
もちろん、その後の桃屋さんの宣伝やCMの影響もあるのだけれども、タナが変わったのはMartの影響。

流通を変えるということをアクセスさんとやっているが、その先鞭を切ったのがこのラー油だった。
僕らは、去年にやったことなので、品薄になった去年の11月以降はラー油のことは取り上げていない。
むしろやめている。その後ミクシィやTwitterで流行ったが、Martがやったのはタナを変えたということ。
このことは、Martが始めたこと。



このモノは決して新しいものではなかった。
XO醤などを含め、具だくさん調味料などたくさんあった。
メーカー側やバイヤーさんにとっては、珍しくない商品。
しかし、主婦目線では新しかった。商品知識がありすぎない主婦の強み。


ラー油の次はラー油なんだろうか?
食べる焼肉のたれとか、ごはんにうまいラー油とか(笑)いろいろ出ている。


業界の人とかはラー油で考える。ラー油の次はラー油で考える。

実は主婦目線でいうと、ラー油が好きで飛びついたわけではない。具だくさんであるというところとか、「ガーリック調味料」というところに飛びつく。

たまたま、ラー油ということであって、僕らは次もラー油があたるとは思っていない。
業界の人は、ラー油だと思っている。

そのあたりの普通の主婦の感性が本当にわかっているのだろうか?と思う。
普通の主婦の感性は、意外や意外、バイヤーにない価値観があった。新しくはないけれど。

スーホルムも本当にディーン&デルーカにそっくり。
でもその商品にディーン&デルーカという価値を付けたのがヒットの要因。

これまでのバイヤーの売り方にそういう目線はなかった。


Martは普通の主婦が情報を発信するという目線は創刊以来ずっと変わっていない。
日経新聞が言うように、IKEA、コストコ周辺に住む主婦。

ではなぜ、その主婦たちが、Martのような情報が必要なのか?

比較対象としてわかりやすい例で言うと・・・
Veryという雑誌は都市中心の主婦の情報発信
シロガネーゼとか言う言葉がでたくらい。
シロガネーゼというのは、例えば慶応幼稚舎の人間関係というのが象徴的。
主婦になってもファーストネームで呼び合っている。
幼いころからの密着型のコミュニティになっている。
その中だから安心できる。どういう人なのかを握り合っている。


Martの主婦というのは、ニュータウンの主婦。港北とか柏とか。
職業はバラバラ。学歴はバラバラ。出身地もバラバラ。新しいコミュニティに入っていく。
そのままでいると、話し上手じゃないと孤立化していく。
新しいコミュニティのなかで、孤立しないようにしなくてはならない。孤立化するということは情報が遮断されるので、家族が孤島になってしまう。
孤立化するという危機感があって、発信して人とコミュニケーションをとるということをしていかないと、コミュニティの一員として認められない。
だから、情報交換は非常に大切。

Martが最初のころにやっていた手作りビーズはそのサインとしての象徴。
決して先生のような(オリジナリティのある)ビーズではなく、ぱくりビーズ。
港北の人がニコタマに行って見て盗んでくるような知識。
○○のようなアクセだね、っていうコミュニケーションの材料にするツール。

コミュニティの価値を握り合うサインとしてのビーズ。
ビーズが好きじゃない人もやっていた。
そういうサインを出しあうための、象徴。

今のダウニーやルクルーゼもそう。
ルクルーゼは調理器具というより、インテリア雑貨。

カンターキッチンの向こうにルクルーゼが見えると、なぜかその家が幸せそうに見える。
うちと間取りは一緒のマンションなのに・・・。そう見える。

とても、投資効果が高く、見本効果のあるインテリア雑貨。
使わない人もいる(笑)

ダウニーもそう。当時(6年前)はコストコでしか売ってなかった。
国産で優秀な柔軟剤がいくらでもあるのに、なぜ、3倍も5倍も値段のする柔軟剤を買うのか。

やっぱり、それも洗面所に置いておくと会話のツールになる。
所帯くさくない洗面所になる。ツールとしてのダウニー。

情報発信していかないと、コミュニティから疎外されてしまう。
そういう主婦が主役になっていくのを感じてMartができた。

節約倹約型、良妻賢母型雑誌というのが主婦のなかで大きなポジションとしてあって、
もうひとつが、ベリーやストーリーのようなブランド大好きのような人の雑誌。
じつはその中間の存在がなかった。

ニュータウンのなかでのサイレントマジョリティが情報交換をしあう雑誌。
そういう雑誌が6年前にはなかった。

Martは情報がないと孤立化してしまう主婦のための情報誌として市民権を得ていった。


雑誌の表紙をみて、このモデルがだれだかきっとわからないと思う。
特集のタイトルをみても有名人は出ていない。

それはなぜか。編集長が有名人を嫌いだからではない。

実は情報発信のための、コミュニケーションツールとしての情報は先生(タレント)が教えてくれるものではない。
お願いするとなると情報発信のコミュニティのなかでちょこっと先に出た人にせざるを得ない。
ニコタマまで行って、最新の情報を取ってくるような人でないとわからない。
使える情報を吟味していくと、必然的に先生や有名人ではなく、ちょっと上の主婦。
コミュニティで生きていく人たちの必然であった。

さっきのバイヤー目線ではなく、先生目線でもなく。
上から目線ではなく、水平目線。
それをMartはずーっとやっている。


カリスマはいらない。
有名人はいらない。否定するわけではないけれど。
有名人でも水平目線ができる人は出てもらっている。新山千春さんとか。
そいういう風にならずにいられなかった。

この水平目線でのものの見方が、新商品ではなくてもヒットするとか、ラー油なんてテクスチャーとしては新しくはないじゃないってものも流行らせていけることになる。

これを僕はブランドショップ型からセレクトショップ型へという風に自分で考えている。

自分自身はバブル世代で、ブランドショップ型を雑誌クラッシーの時はやっていたけども。

今の世代にとっては、ある意味イケヤもコストコもある意味セレクトショップ。
Martの読者は今やハワイに行っても、DFSとかアラモアナではなく、そのままタクシーでターゲットというスーパーやウォルマートに行く。
考え方がセレクトショップ型。
ブランド品を安く手に入れようという考え方ではない。

セレクトショップの店員型のセールストーク。
ブランドショップのように、「秋冬の新作はこちらです」というような売り方はしない。

まず最初に価値観を共有する。にぎりあう。
お客さんは「○○が好きですよね」というような価値観を握り合うところから始まって、「では一緒に○○を探しましょう」という展開になる。
上からではなく、まずあなたと価値観を共有しているということを必ずサインとして出す。

そういうことをMartは企画でもやっている。

今の号では「フォンデュ鍋が流行りますよ」ということをやっているのだけども、
まず「鍋やパスタソースを今まで使い切ってませんでしたよね」ということで握り合う。
なので、「なので、小さい鍋を一緒に探しましょうよ」という企画にする。
まず、握り合っていないとやっぱり、上から目線になってしまう。


そういうことを考えると。
極端な例や極端な人でにぎやかしをかけるのはもうダメだという気がする。

四畳半に住んででもシャネルというような価値観は通用しない。
一部だけがリッチな人などの例は求められない。
突飛な人は必要ない。

その代り、ソコソコ感覚というのが必要。
そこそこな人が求められる。バランスがいい人が認められる。
家がきれいでも、服のセンスが悪いとだめ。
服がきれいでも料理が下手だとだめ。
ソコソコのIKEAコストコ感覚で、gapを来て、でいい。

じつは、そのソコソコ感覚というのが今までで雑誌でさらわれてなかった。


価値観が受け手側主体になっていく。
メディア側が「秋冬はコレ」といって、半年間引っ張るわけではないので、どんどん変わっていく。

読者はどんどん飽きて行く。変遷が激しい。IKEAも飽きる。コストコもすぐ飽きて行く。
変わり身が早い。これに雑誌はついて行けないから、雑誌が古くなってしまう。
でも、雑誌もある読者の年齢層や価値観をにぎっていると、読者と一緒に変わっていくことができる。
変わり目に雑誌は遅れてしまうけど。

この人たちを追っかけていくときに、バイヤーにはない価値観、今、ちょっと「かわいい」ものが欲しいよねといった
「気分マーケティング」システムが必要。気分をつかんでいないと、マーケ、マーケといっても掴めない。

モノが売れないからと言って、(通常の)マーケティングをどんどんしていって、セグメントして無駄なものをそいでいって、これで198円でどうだ!というものになりがちですけど、その決めつけがうざい。

主婦からするとマーケティングでがんじがらめにされた商品はうざい。
モノが売れないと、最低限の必要性に絞ってマーケティングしていくんだけれど、さっきの気分のようなものが入ってないと「わかってないよね」につながっていく。
「わかってないね」というのは、セレクトショップ世代にとってはNG。

逆を言うと、気分マーケティングが入っているものは400円でもうける。
安くして気分をそぐのではなく、若干の気分をいれてあげて、わかっている感覚を作ってあげないと。

わかっている感覚、サインを出していないとモノは売れない。
桃屋の広報の人(森本さん)が宣伝会議のインタビューに答えていたが、ラー油もネーミングもそう。

ラー油も使われるシーンが限定される商品名にはしなかった。口に入れた感触をネーミングにしたかった。
限定していって気分を削ぐよりは、遊びしろを残して気分を入れていくのがこれからのマーケティングに大事。

「遊びしろ」のある商品

よく代理店と雑誌Martのポジショニングマップみたいな話になるけれど。
ポジショニングマップ自体に気分を反映しているものは少ない。今のところ。

トレンドとコンサバティブ、リッチとリーズナブルとかやるけれど、実は彼女たちはそういう座標軸にはおかれていなくて、かわいいとかかわいくないといった気分マーケの軸上にいる。

彼女たちは気分マーケティングである。コミュニティでツールとして使われないものは彼女たちの情報にならない。
仲間外れとか、孤高の人といった立ったパーソナリティのある人を象徴にしてはいけない。
彼女たちは仲間にならなくてはならない。ピンである必要はない。共有しあう情報が必要。自分が特に伸びる必要はなく、共有できる情報の方が大事。


コミュニティの中で自分をどう見せるか。同じ仲間であるプレゼンをするツールが必要。

でもそういうマッピングが必要。
変遷が激しいけれど。


グループインタビューで年中や年長のお母さんを集めると、29歳もいれば40代もいる。クラッシー、ベリー、ストーリーすべての読者が一緒にいる。
そして一緒の価値観で動く。3誌が一緒の価値観で動く。同じようにルクルーゼが好きで、百均に行ったりしている。


「あなたはどんな読者と思われたいか?」という質問をすると、ベリーだったら「医者か弁護士の主婦である」とみられたいという答え。
Mart読者だとそもそも「主婦に見られたくない。」と答える。子供連れていても主婦に見られたくない。
では、主婦に見られたくないって、ポジショニングでどこに置くのって話。でもそういう主婦はとても多い。

今までのポジショニングマップでは難しい。
プレゼンで気分を見せていかないと厳しい。

実例を挙げると。
今ワールドとのコラボでアウターを企画している。今回はダウン。

「お呼ばれアウター」という切り口で展開している。

そもそもMart読者とコラボして新しい企画を考えようという話があった。

商品企画の人が結構機能的なことをマーケティングしていた。

主婦がこどもと出かけて、どんな機能が必要かをものすごくマーケティングされていた。
非常に勉強して子供と手をつないだときあったかいとか。抱っこしたときに温かいとか。

それは、マーケティング理論上正しいのだけど、Mart読者主婦には全否定。
主婦に見られたくないという価値観の方が優先していて、機能よりも反応スリムに見せたい。
体を細く見せたい。機能性よりも気分。

マンションとマンションを行き来するだけの服。サンダルでも行ける。でも悲しくなる。
でも、日常を非日常にしたい。気分転換をしたいだけ。

多少なりともマンションの行き来のその間だけでも、お出かけ気分でいたい。
それで、「お呼ばれアウターというネーミング」
体がきれいに見えるダウンで、お呼ばれ気分ができた。
家に着いたら、コートかけのところで、裏地の花柄が見えて、かわいいわねといわれた。
そういう気分を出したい商品。

この「およばれアウター」というネーミングで、前年比170%の販売。
こういう気分マーケティングが必要。



水平目線というものが本題。

この水平目線の考え方は、「雑誌」がメディアとしてイニシアティブをつかむのか。
ミクシィやTwitterやアメブロとか。
サイレントマジョリティの気分をつかむには、雑誌よりもWebではないのか。という人がいる。
確かに、身近に情報をやり取りできるのはWebだとおもう。そう思うが。
そう思う人もいるかもしれないが、本当にそうなのだろうか。
疑問を投げかけたい。

本当にブログやTwitterで時代の気分は見えてくるのだろうか。
モノを投げかける時に、一人称として、見えやすいだろうか。
ツイッターやブログの全体的な時代気分をつかみきれるのだろうか。

一人称として象徴化できる問いかけができるだろうか?
それがないからいい、という話もあるが、それがないとどこにどう仕掛けていいかわからない。

自然発生的にはいいんだろうけど、仕掛け人的には見えてないところに投げかけていいのだろうか。
何万人いて、何百万アクセスあるのはわかるけれど、そこに何を投げかけるのか?

私見ではあるが・・
一番気を付けないといけないのは、アルファブロガーの周りに、
インフルエンサーがいるという構造になりがちである。
この構図になるところが多い。

アルファがいて、取り巻きができるかどうか。
これでいいのだろうか。

これはサイレントマジョリティーの構造ではない。サル山のさる構造。
自然発生的に群れをつくると、ボスができて、そのまわりに取り巻きができる。

単純な構造になりやすい。
猿山のボスだけを相手にしていたら、単純な構造になりやすい。

新しい価値が見えて来ない。
コミュニティには手をかけないといけない。
猿山のボスだけでは、サイレントマジョリティーの声がいつまでたっても聞こえてこない。

例えば、非常に大きなコミュニティサイトがある。Mart読者も多く参加している。
そのなかにマートというコミュニティも存在する。

そこを見に行くと、やっぱり、ホームベーカリーとか、コストコ、イケアとか・・・。

デコ弁キャラ弁のサイトに行くと、マニアの世界になっている。
飛び抜けたマニアを頂点としたサル山構造になってしまっている。
ポカチュウの眼のディティールの再現という話になっていて、初心者が真似ができない。入りにくい。
でも、どうしてもボスを中心としたサル山構造になってしまう。
これが、本当にデコ弁の実用的なコミュニティなのか?

Martコミュニティでデコ弁をやるときは、レシピはやらない。グッズに落とし込むだけ。
紙カップかシリコンかケーキカップかという非常にわかりやすい部分。時間がないのでわかりやすいグッズで差別化する。それがMart。
そういう価値観で握り合っている。

メンテナンスしないコミュニティもいいのだけれど、メーカーや編集部がモノを仕掛けていく器として考えた時には、ちょっと不適切。
あんまり自信がない。そういうサル山に仕掛けていくのが。
どんなコミュニティなのか、わかりやすくメンテナンスされているところ。
そこでないとモノをしかけて行くのが怖い。

じつはそういうメンテナンスされたWebコミュニティがじつはない。
水平展開やサイレントマジョリティをつかむWebというのは、実は難しい。

例えば、、、、巨大なコミュ二ティとMart読者との対比。
とある食の巨大コミュニティ。何万倍というコミュニティ。

日本アクセスの食の見本市で同じように、商品を選んでもらう企画があった。
今年の7月、Martは東京で、先方は大阪でやった。

どういう結果がでたか?
たぶん、巨大なコミュニティの方が多様な側面の切り方があって、Martよりもヒット商品をバカバカ出すのではないか?
という考え方があると思う。なんて言ったってMartは2000人くらいしかいない。

これはスーパーモーニングでも取り上げられたが・・・。

カゴメのトマコン?とか
キューピーの具のソース、うまみ・・・・?とか
エバラの蒸し鍋のたれバーニャカウダとか。

これら、メーカーも初体験なくらい、出荷される前からメーカー欠品するくらいになった。
ラー油効果もあって、Martが仕掛けると動くのではないか?とい期待もあってのことだと思うけど。

で、気になるのは向こう様。

関西では「チルドの餃子」と「冷凍の讃岐うどん」が1位と2位だった。
これって、普通ですよね。悪くはないけど。
バーニャカウダと比べるとインパクトがない。


メディアのデカさだけでは、モノを広めることにならないのではないか。
やはり質なのではないか。ではどうすればいいのか。
コミュニティ管理。

雑誌でもコミュニティサイトを作りたい雑誌は増えている。

ともすれば、コミュニティを囲いたがる。
池コミュニティを作りたがる。誰も入れさせない。

サル山のボス猿を作らないメンテナンスが必要。

サル山で消費者主体の価値観が見えるだろうか。


囲い込みにして、池にすると・・・主ができる。去年も今年もなまずが釣れる。
メーカーのリサーチにはその方が受けがいい。聞こえがいいし、メーカーも安心するし、互助会的な安心感がある。

でも、時代の移し絵にするには川にしないといけない。主は作らない、池にはしない。
契約もしないし、囲い込みもしない。
川にする。川が流れていくところに読者会員も流れていく。
意図的に人を流すようにしている。


そういうと、「川」で囲い込みができるのですか?という人がいる。

そこで、雑誌をもっている強みが出る。
マートという価値観・媒体があると、握り合っていると、コミュニティの管理がしやすい。
Webだけにすると、どこをよりどころにしていくかがわからない。
雑誌を主体としたコミュニティだと、雑誌がどっちへ向いていくかで参加すべきかどうか判断できる。

Webと雑誌は親和性を持たせながら、相互補完にできる。
Webだけでもスケールメリットはあるけれども、ものを捕まえに行くときにやはり、単純化された構造になりやすい。

雑誌という価値観があると、今の価値観で誰が集まるかということを暗黙の価値観のなかで握り合いができて、そこでサイレントマジョリティの人々が自由に意見を言い合えるという雰囲気が作りやすい。

これが雑誌がエビちゃんですよ、設楽りさ子ですよと言いすぎると、サル山コミュニティになってしまう。
ここにあなた他たちが主役ですよ、という雑誌があると、Web管理が違ってくる。
その部分がとても大事。

つまり・・・これからモノを仕掛けていくということに関して言うと、
まずは、雑誌のコミュニティを使って欲しい。

うちの雑誌のコミュニティは人数は少ないが、向き合うコミュニティ。

志向のまとまった、能動的に集まる顔の見えるコミュニティ。

先ずは、コミュニティのなかで、商品の特性や受け具合を先ずは試してみる。
商品という子羊ををいきなり裸のまま(雑誌という)野に放たない。
コアなコミュニティで、商品の色付けやベクトルをつけて、スケールのある(メディア)雑誌の方にながしていく。
モノの育て方として。いきなり野に放つのは乱暴すぎる。こわくないですか?

中間のフィルタとして、Webコミュニティはとても重要になってくる。

Webはともすればネガティブなことにもなりやすい。
Webのなかで商品の方向性をつけておいた上で、雑誌のマスのなかにながしていく。


モノを動かすサイレントマジョリティーに向けたコンテンツを考えた時に、
改めて仕掛けをチューニングしていく必要がある。

雑誌だけでも、Webだけでもだめ。


どういうベクトルでいくのか。ということをマネジメントする役割にきている。
雑誌は紙だけではだめ。
雑誌というものがコンテンツをマネジメントする時代に来ている。

その方向性を決めるために編集部がメディアを結び付けて、何を核にして売り出していくのかをコントロールする。
コンテンツホルダーとして水平展開という目線でマネジメント、ディレクションを行う。
雑誌のその役割が注目されていくのではないか。

iPad Kindleの話をしたかったが、その話ははまた今度。

=====================================
質疑応答
Q
Webのコミュニティについて
実際に住んでいる地域でのコミュニティで満足しているのではないか?
わざわざWebのコミュニティになぜ行くのか。

A
大都市周辺の主婦は全国的に変わらなくなっている。
港北でも西宮でも変わらない。
だから、地域のことではなく、全体的のことが知りたい。むしろやりたいが知りたい。
垣根を超えて広がりたがっている。

モノを起点にすると、広がりたがっている。

=======================
Q
匿名性が高い掲示板のよさもあるのでは。
匿名性があるから、言いにくいことも聞きにくいことも聞けるのではないか。

A
それはあるが、友達としての情報として受け入れているかどうか。
友達からの情報として、2ちゃんねるの情報を聞き入れられるか?
水平展開できる情報としてみられているかどうか。
あけすけな話はしているが、本当に身近な情報としてうけいれられているだろうか。
モノを仕掛けていくと考えた時に、ひとりの女性像をみつけて仕掛けていくのが難しい。

匿名であればあるほど、いいこともある。本音を言い合うのはいい。
旦那のこと姑のこと。それは家庭内に完結すること。
家庭内のことは人に言えないことがあると思うし、無駄じゃない。

でも家庭内のことは人にプレゼンしてなんぼという情報ではない。
それはお互いに言い合って、コミュニティの中で使えるツールにはならない。

ポジティブに受け入れて、プレゼンする内容を発信できるコミュニティがない。
悪口、グチでおわっちゃう場になってしまう。

言いたいことに特化している。だから偏っている。
子育てや旦那の悩みなどはあつかっていない。

マートは自分のプレゼンに特化している。
情報のすみわけというか、役割分担。

=============================
Q
読者会員登録に手を上げた時点でサイレントマジョリティーになりえているのか。
A
なりえている。手を挙げるということで自己顕示欲多少あるが。
孤高な人なのか、代表制のなかでモノを言っているか。
そのあたりはメンテナンスしている。
だんだん自分の力を過信したり、誇示しはじめると遠慮してもらっている。
クローズアップしなくなる。そのあたりは見極めている。
========================
Q
多様な価値観の中で、どうして志向を集約していくことができたのか?
A
これまでルクルーゼも100円ショップの商品も「可愛い」 という目線で切った雑誌がなかった。
その「かわいい」という目線だけで売っている。
ファッションも食もインテリアも「かわいい」という点つながっているかどうかは見ている。
かなり、編集のコアな部分まで話してしまったが・・・
そういうことをやっていると見えてくるものがある。そこは追及している。
ルクルーゼの延長線上で飛びつくかどうかのトライアルをしている。
ルクルーゼ、ダウニーが好きな人はほかで何を見ているのか、探しているのか。
そうすると読者の規定がみえてくる。かわいい が時代によって変わっていく。
その変化はケアする必要があるが。雑貨も食も同一線上にある。

かわいいってみられたいというプレゼンの動線上にある。

(以上)
[ 2010/11/15 02:23 ] 講演会 | TB(0) | CM(2)
中島秋津子
思わずコメントしたくなりました、
すごい力作!ありがとうございます。

微妙なさじ加減の気分探しの中から
手ごたえある気持ちを探り当てるのねー。
[ 2010/11/16 12:38 ] [ 編集 ]
Re: 中島秋津子
ありがとう。メンバーとの共有用です。
今、これ「本筋」なもんで・・・
環境のせいにしてはいかんと思ってます。
[ 2010/11/21 23:56 ] [ 編集 ]
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プロフィール

松崎哲也 (love365)

Author:松崎哲也 (love365)
ベネッセで雑誌とWebのメディアマーケティングを担当する部門のブチョー。ソフトバンク・アカデミア外部1期生(現在参加中)。
「発信内容は個人の意見であり、必ずしも組織の見解と一致しているわけではありません」

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