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「さらば脳ブーム」 川島隆太氏講演会

さらば脳ブーム (新潮新書)
川島 隆太
新潮社
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川島隆太教授の講演会に参加しました。

正直、「脳トレ」ゲームも持ってないですし、脳科学というものにそれほど強い興味もなかったのですが、川島教授から直接お話しを伺って、かなり感動しました。発表内容もさることながら、その、真摯な研究姿勢に対してです。とくに「脳のスマートエイジング」(認知症予防への挑戦)に関する発表で、実際の高齢者福祉施設の現場で起きていることの紹介があったのですが、非常に意義深く、志し高い取り組みだと感じました。

こちら↓に関連記事がありましたので、リンクしておきます。
高齢者向けにも「公文式」!
認知症予防で注目集めるKUMONの学習療法


川島教授のお話をうかがって、産学連携へのイメージも大きく変わりました。
そして、その言動から以下のことの大切さを学びました。

■自分の専門分野における信念を持つこと
■研究の目的達成のためにビジネス(商業)の力を原動力に生かす。
■志し高く。ビジネスの成功は世の中の役に立つことである。
■他人の批判に屈しない強い心。

資料もすべて配布していただき、ありがとうございました。

松崎哲也


以下、追記部分は公演中にPCで記録した個人用のメモです。

2011/07/11夕学五十講 川島隆太
東北大学加齢医学研究所教授
「さらば脳ブーム」



脳の構造とは。

神経細胞が電気を出して神経線維を通じて伝わる。
電気情報だけでなく、化学物質も通じて情報が伝わる。

大脳におけるニューロンの数。
男性の方がニューロンの数が多い。頭が大きいから。
密度は同じということがわかっている。

男性のニューロンの数
2.28×10の10乗
銀河の数は1-4 ×10の10乗

10の10乗個というのは銀河のなかの星の数の素子と同じ。
これは偶然なのか、必然なのか

大脳の情報処理能力は
4×10の15乗
最新コンピューターでも64ビットしかない。
どんなに進化しても脳には追い付かない。

大脳皮質の細胞構築学的分類
ブロードマンの地図。

前頭葉 運動
頭頂葉 触覚
側頭葉 聴覚
後頭葉 視覚



学者が一番知りたいところ

脳と「こころ」の関係

心はどこにあるかということは、ディスカッションが続いている。
脳にいきつくのではないかといわれているが、結論はでてない。

脳の損傷の事例から、脳とこころに関係があることがわかってきた。
ロボトミー手術。手術の前の自分と、その後の自分に分断が起きてしまう。冷静に自分が自分でなくなったという認識になってしまう。
心は前頭葉にあるのではないか?という仮説のもとになっている。




TMS
経頭蓋磁気刺激装置

ターゲットの脳局所領域を活性化(てんかんを誘発するので現在では禁止)、もしくは不活性化することができる。

脳の中には秘密のカギをかけている場所がある。
ある種の麻酔をかけて、解けるときに、しゃべりたくないことからしゃべってしまう。それをやれば、自白剤などいらない。

脳科学というのは怖い。
脳をコントロールできる。
強い倫理観が求められる。結構グレーなライン。



他人の脳を操作する 是が非か

■健常人にTMSを用いて特定の脳の情報処理ネットワークの働きを抑制する→×
■精神、神経疾患の患者に投薬を行い、認知機能を向上させる。→グレー
■健常人に投薬を行い(たとえばリタリン)、認知機能を向上させる。
リタリンは記憶力がよくなる。多少の反作用はあるが。
→このあたりから意見が分かれる。

■健常人にいわゆる脳トレを行い、認知機能を向上させる。
ゲームとソフトを買えるひとだけが、能力を高めることができる。リタリンとどこがちがうのか?

■健常人に学校や塾で学習をさせ、認知機能を向上させる。
お金持ちの子弟だけが、高等な教育を受けることができる。

脳科学は・・・
非常にナイーブな問題。倫理的に非常に難しい判断が待っている。


私が脳科学を志した理由。
心が脳のなかにどう表現されているのかを知りたい。と思った。

一冊の本との出会い
脳の設計図 伊藤正男著 中央公論1980年

CT装置を使って脳の研究をどうすればいいのかわからなかった。
京都大学の霊長類研究所に内地留学

心の問題にアタックした研究者がいた。
スウェーデンに研究者。その研究者ローランド教授のもとで脳の動きの画像化の仕事をしてきた。

コンピューターゲームを楽しんでいる脳と、いやいや単純計算をしている時の脳では、単純計算の時の方が活性化していた。
仮説と反対だった。ただし、誤差だろうということでお蔵入りになってしまった。


任天堂からの産学協同で研究費を賄っているのが自慢。



感情のデコーディング
写真を見ている時の脳活動計測

好きだと思った画像を見たときの脳の動き。
背内側前頭前野の活動(NIRS)

マーケティングに活用できるようになっている。
好きなデザインが脳の動きでわかる。

授業中に集中しているかどうかもセンサーでわかる。
新人でもベテランと同じような授業ができるかもしれない。



脳を鍛える方法の開発

ヒトの前頭前野の機能
歳とともに直線的に低下する。前頭前野の動きは必ず劣化する。

作動記憶 RAM 

作動記憶をトレーニングして記憶能力を上げていけば、作業効率を上げることができる。
転移の効果として、トレーニングしていなかった部分の能力まで上がることがわかる。

流動性知能が上がる。(論理的に考える、新しい問題を解決する方法を見つけ出す力)
これまで、親から遺伝するといわれていた。作動記憶のトレーニングをすると、その能力を高められることが分かった。

作動記憶トレーニング
視空間スパン課題
ドットの場所と色を覚える。


Nバック課題(計算付加)
単純な計算の2個まえの答えを答える。

<hr>
スケルトン競技の成績が上がる。
作動記憶トレーニングをしたときに、スケルトンのタイムが良くなる。
常に情報を出し入れしながら競技をするため。

集団競技の方がもっと向いているのではないか。
数値化は難しいが。

ロンドンオリンピック期待してほしい。


作動記憶トレーニングの効果。
2か月のトレーニングによって大脳皮質体積が増加する。

マルチタスクトレーニング

自分ができるギリギリのことをやると脳の機能を拡大できる。




脳トレーニングの条件
作動記憶を使わなくてはいけない
だれでもできることである。脳に負荷がかかっていないといけない

単純計算や音読は作動記憶を発動させる。
本人にはあまり負荷の意識はない。楽にできる。

認知症の高齢者に音読や計算をやってもらう。
読み書き計算の問題を産学協同で公文に問題をつくってもらった。
ただ、自分の能力が下がっていることに気づいてしまう事故が起きる。引きこもり症状を呼んで、さらに認知症を促進してしまう。

かといって、楽な問題では意味がない。負荷がかからない。
うまくやると、とんでもなくすごいことが起きる。

医学ではできない回復をすることだできる。

学習療法6カ月間の結果
MMSEの変化



学習療法への批判

読み書き計算かコミュニケーションか。
コミュニケーションだけで認知症が改善するなら、認知症は社会問題にはならない。

コミュニケーションが多くても悪くても、効果に差はない。

ただし、スタッフの働きかけにより結果に差がでる。


健康な高齢者にも効果がある。認知症になりかけのヒトにも効果があり、QOLまであがってくる。



ゲームと脳の関係。
前頭前野を活性化するソフトの開発

脳を鍛える大人の脳トレブーム

メジャーになると批判も出てくる。雑誌ネイチャーにもネガティブな意見が発表された。

任天堂から受けたのは、前頭葉が作動させるゲームを作ることだけ。
批判が出ても、効果の証明は利益相反するので大学にはできない。


テトリスと脳トレゲームでは、脳トレの方が効果が高いことが発表できた。



学問と社会のはざまで。

ご飯派とパン派では脳の質が変わる。脳灰白質体積との相関。
ご飯の方がいい。
このことを知ってしまったので、朝ごはん普及活動をしている。

以下質疑応答



右利き、左利きは矯正したほうがいいのか?
→発達心理学的にはわからないというのが本当のところ。
左利きは人種、年代、時代をこえて、一定の割合しかいない。
左利きを10%を残すのは非常に難しい。遺伝子の問題。


恐怖をつかさどる部分はあるのか
→あるといわれているが、倫理委員会が恐怖を与える実験を許してくれないから実証できない。先端恐怖症などの患者の脳がどう違うかということはかなり分かっている。脳の中心の原始的な部分であることがわかっている。


ギリギリの難しいレベルの計算ができるとして、乗り気でやるのといやいややるので差が出るか?
→好きでやることはない。でも、やりだすと喜ぶ。一万名以上の症例では自分からやりたいというヒトはほとんどいない。脳のMRIの図を見せて、論理的に説明してやってもらうようにしている。やってもらえると、やる気をもってやってくれる。


ながら行動が苦手だが、得意な人もある。その違いは?
→注意の分散。ひとは集中の方が得意。サーチライト仮説。集中するということに作動記憶が関わっている。
マルチタスクは脳の使っている場所が違う。分配する能力にも作動記憶が関わっている。男女に差はなくて、環境によるものという説が主流。
分配が得意というひとも、本当にうまくできているかといえば、そうでもない。ながらでやるとどちらも中途半端ということが多い。作動記憶が本当に大きいとできるかもしれない。


秘密のカギがあるという話はなぜ秘密なのか。
→秘密のカギがどこにあるかTMSがあれば簡単に壊せる。悪用しようとすればできてしまうから。


大人と認知症の話がおおかったが、子供向けにも効果が期待できるのか。
→作動記憶トレーニングをなぜ大人からやったか。読み書き計算は学校でやっている勉強そのもの。受験勉強は作業記憶トレーニングそのもの。なので、あえて意識的にやらなくていい。
これまでの歴史のなかで教育システムはこのような姿になったのではないだろうか。江戸からの寺子屋の文化は非常に意味が大きかったのではないか。読み書きそろばん。植民地化をふせいだのでは?
子供たちもやればよくなると思っている。今度は子供たちを含めて伸びる商品を考え始めている。こんなものがあれば受験が楽になったのではないか。


遺伝で何処まで決まるか。
→一卵性双生児で調査をやっている。いわゆる認知的な働きは遺伝よりも環境の影響の方が高い。ただし、遺伝の影響もゼロではない。運よく良い遺伝子を持った人が努力をすれば、さらに伸びる。


一般的なゲームの影響は?
→脳科学で分かっているのは、ゲームで慣れてしまうと、前頭前野の動きは下がる。人間がリラックスした時に出る動きに近い。
いいか悪いかという価値観は科学者が決めるものではない。同じ事象でも時代によって評価軸が変わるか。


血液型と脳の動きに影響はあるか?
→統計的に否定されている。科学的には完全に否定されている。心理的なえいきょうをうまくビジネス化したもの。


運動によって脳の機能が良化するか?
→アメリカには多くの事例がある。有酸素運動は認知機能を高める。アナボリックなものは関係が認められていない。



脳の可塑性とはどういうことか?
→可塑性とは、
脳の細胞同士の関係性が伸びて行ったあと、刈り込みという動作が起きる。その次に絶縁化が起きる。それが脳の成長。
次に脳の退化、加齢変化がおきる。それを止めてたり成長させるうごきが可塑性。


大震災における研究の成果は。
→PTSDと呼ばれる心的外傷にたいする科学的対応。普通の大学生にも症状が出ている。脳科学は心理学と一心同体。認知心理学は特に。心のケアに使えないかと思っている。



5歳の子供ができることは?
→研究で明らかになったもので確実になったのは、親子のコミュニケーション。きっかけとしての親子での遊び、料理とか。親の気づきが起きる。自分がこどものことを見ていなかったということに気づく。親の認知機能も伸びる。実はよく聞いてもらうと、昔からよくやっていたことを、しっかりやりましょうという提案しかない。突飛なことも探せばあるだろうが、そういうことはやるつもりがない。夜更かしさせないとか。
海馬の成長と睡眠は大きな影響がある。

(以上)

[ 2011/07/19 01:30 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)
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Author:松崎哲也 (love365)
ベネッセで雑誌とWebのメディアマーケティングを担当する部門のブチョー。ソフトバンク・アカデミア外部1期生(現在参加中)。
「発信内容は個人の意見であり、必ずしも組織の見解と一致しているわけではありません」

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