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日本のブルー・オーシャン戦略

インシアードのチャン・キム氏が書いた「ブルーオーシャン戦略」はよく売れた本で、そのキャッチーなネーミングのせいか、よく語られる戦略本です。私自身もこの戦略ツールを使って、新規事業のフレームを考えたりしたこともあったのですが、今回の講演を受けて、まだまだとらえ方が甘かったということを痛感しました。

と、同時に本物の「ブルーオーシャン」と呼べる事業を立ち上げてみたいという思いが強くなりました。やはり、自分の志向特性は顧客創造とか、バリューイノベーションという方向に向いているようです。

まだ、書籍は読めていませんが、講演は非常に気付きの多い内容でしたので、講義録をアップしておきます。今後書籍を読んで理解を深めたいと思います。

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く
安部 義彦 池上 重輔
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20090508夕学五十講 日本のブルーオーシャン戦略
競争の無い新市場を創造する

池上重輔
早稲田大学大学院商学研究科准教授

ブルーオーシャン戦略(BOS)は
広大な需要を主体的がつシステマチックに創造する戦略理論。


捨てる決断が重要。
「除去」「減少」を意識的に。


ブルーオーシャン戦略は本を2、3回くらい読んだくらいではわからない戦略論。
これまでのレッドオーシャンの戦略とは全く違う。
原書で読んで、著者のチャン・キム氏とも会って話をして、本を書いて、10回くらいフルセンテンスで読み込んで、1年くらいかかってやっとわかった。


日本でブルーオーシャン戦略をやったとか、うまくいかないという人は、たぶん本質をわかっていない。

ブルーオーシャンを「見つける」とか、「掘り当てる」という人はわかっていないと思ってっていい。
ブルーオーシャン戦略は「創造」的な活動。見つけるものではない。


見つけようとしている人は、ブルーオーシャンではなく、ブルーバード(笑)。青い鳥を探している。


理論というのは、再現性があるもの。
ほとんどの成功論は、宝くじ的である。
それに対して、ブルーオーシャン戦略は再現性がある。



■捨てる決断が重要
「除去」「減少」を意識的に。


普通のビジネスにおいて、何かを「やめる」ことで褒められることがない。
捨てるという意思決定は非常に難しい。

捨てることが、バリューイノベーションに優位である。


■ブルーオーシャン戦略は業界のライフサイクル・業種を問わず適応可能。
成熟、衰退期でも、消費財でも、産業材でも可能。

■先端的技術・発明はマストではない。
あったらよりいいレベル。

■誰の何に役に立つのか(ユーティリティ)の視点が必要。

戦略はこれまでの「業界常識」とは違う(業界の境界が崩れる)
たいがいの人が「なんだそれは?」と思われるレベル。
業界の人から、「これは、●●ではない」と言われるレベル。
例:これは、床屋ではない→QBハウス
これは、サーカスではない→シルクドソレイユ

■「顧客」だけでなく「非顧客」(ノンカスタマー)を見る
通常は、顧客の違いを見に行く。セグメンテーション。
マーケティングの観点では、相違を見に行く。

顧客ごとの「違い」ではなく「共通性」さぐる。

■「競合」だけでなく無意識に何と比較しているか(オルタナティブ)を「体感」することが必要
意思決定者が現場に見に行くことが大切。

サブスティチュート(競合)からオルタナティブ(代替)へ


きちんとマーケティングを勉強している人は、どうしても顧客を見に行ってしまう。
無理やりにでも、非顧客を見に行かないといけない。相当無理して意識を変えないといけない。


■レッド&ブルー

日本でブルーオーシャン戦略が誤解されがちなのは、レッドオーシャン戦略を知らないから。

レッドオーシャンもきちんとした戦略。MBAでは通常、レッドオーシャンを教える。
欧米のビジネスマン(MBA)はポーターやコトラーの戦略を十分に理解している。
それを前提にブルーオーシャン戦略は語られる。
日本ではマイケルポーターやコトラーの戦略論を正確に理解している人が少ない。



■コストと付加価値は両立できない    
コストを下げながら付加価値を上げることは不可能。→できている場合でも、儲かってない場合が多い。
利益を上げるのが戦略の本筋。利益を上げるためには、コストと付加価値はトレードオフの関係となる。
普通の戦略では。


競争に勝つ←→新しい需要を主体的に創造
全く違う概念。

■通常、戦略といえば・・・

・もっと安く(プライスリーダーシップ戦略)
・もっと増やす(差別化戦略)
・もっと絞り込んで(集中戦略)
・もっとがんばる(オペレーションエクセレンス戦略)
となる。

例えば、コストリーダーリップ戦略というのは業界で一人しかできない。

差別化戦略も競合と差をつけることと思いがちだが違う。

お客さんが、プレミアムプライスをつけていいと思う軸において競争相手と差をつけること。
差別化は基本的にコストがかかる。手間がかかる、良い材料、など。プレミアムプライスへ転嫁できる戦略。


コストリーダーシップと差別化戦略は、本来、トレードオフになる。


■「競争しないことは可能か?

スポーツバイク。スズキの隼(ハヤブサ)。性能競争の末、すでに最高速300キロを超えたが、、、売上台数は?

あなたが開発担当者であれば「競争」をやめることができますか?

最高速度のスペックをこれ以上上げても、販売台数はそんなに伸びない。そのことが、売る前にわかっていたか?といえば、薄々分かっている。
でも、最高速度を下げられない。それが普通のビジネス。

その証拠として、これに対して、カワサキはニンジャという300キロオーバーのバイクを出した。
競争をやめるのは、本当に難しい。


■レッドオーシャンをすべて捨てるわけではない。

レッドとブルーどちらも必要。

レッドだけでも、儲からない。でも拡大するにはブルーオーシャン戦略も必要。

普通の企業というのは、マジョリティはレッドオーシャンを取っている。
どこかで2、3割のブルーオーシャン戦略が必要。そういう補完関係。

アカレンジャーがピンチの時にアオレンジャーが来る。(笑)


■新規事業開発と言えば通常以下のようなことをやる。

・アンゾフのマトリクス→単なるチェックリスト

・ぶらぶら社員→永谷園もやめたほど。

・やってみなはれ
・イノベーションのジレンマ
・スカンクワーク
・天才的なファウンダー

どこの会社でも「再現性」を持ってできることではない。


それでできたのがブルーオーシャン。


■ブルーオーシャンの3つの主要要素

バリューイノベーション
ティっピングポイント・リーダーシップ
フェアープロセス

組織戦略論が2つも必要なくらい、これまでの戦略とはかけ離れたジャンプが必要。
(今日はここまで話せない・・・)

■バリューイノベーション
差別化と低コストを同時に実現

コストを押し下げながら、買い手にとってのバリューを向上


■果たして、Wiiはブルーオーシャンなのか?

チェックポイント
①巨大重要を創出したか?
→Wii登場2003年ではのすでにゲーム業界は衰退産業。
 ピークの半分の3000億円まで落ちていた。
 
②削減、減少によるコスト低下と資源配分ができているか?
→簡略化によるCPUへの負荷軽減、ゲーム開発投資の削減


③これまでのメインユーザーではない、ノンカスタマーを取り組んでの新需要創造ができているか?
→PS3とWiiは競争しているのか?→競争していない。
縮小しつつある市場で、新たな需要を創造している



■具体的手順


①戦略キャンバス

現状を確認し、「覚醒」する
横軸にファクターと呼ばれる、業界で重視されている要素をあげていく。

最初の並びではファクターの並びはどれでもかまわない。

一番左は価格。それがルール。
覚醒、現地探索でも一番左は価格。


PS3はそれらの横軸のファクターを押し上げていく商品。

→あるレベル以上になると、差別化ポイントとして寝てくる。
サチュレート(寝ている)してくる。

レベルが上がってくると、マニアしかついてこれなくなる。

Wiiはグラフィックを削った。


覚醒、現状把握のときは、ファクターの並びはどれでもかまわないが、
戦略を考える際は「なくす」→「減らす」→「増やす」→「創造する」という並びにする。

そうすると右肩上がりの図になる。わかりやすくなる。

どんなプロダクトも、価格は必ずあるので、一番ひだりは価格になっている。




導入期にもBOSが使えるか?

本当の導入期なのか?ということを考える必要がある。
業界として導入期ならば、そのことがブルーオーシャンであるはず。



②ERRCグリッドによって考える

4つのグリッド
・エリミネート
・レイズ
・リデュース
・クリエイト

↑これがなかなか考えられない。


■ブルーオーシャン戦略の初期戦略
覚醒

現地探索
ノンカスタマーが使わない理由を密着して探す。


ノンカスタマーを3層にわける。


原著の翻訳版は良い翻訳だが、後半誤訳っぽいのもある。
特にこの部分がそう。


第1層 Soon to be 今にも浮気しそうな層
第2層 Refusing 意図して使わない意思決定をした人
第3層 Unexplored お客になることを思ってもみなかった人

セグメンテーションはしない。(まず、しない)

大きくとらえたお客さんのコモナリティ(共通性)を見つけていく。


ウィーの場合

第1層 若いビジネスマン
第2層 お父さん層 ビジネスマン
第3層 主婦、祖父母

この3者の共通性を見に行く。
カスタマー、ノンカスタマーに直接、密着、現場観察
意思決定者が自ら身に行かないといけない。
報告を聞いても信じられない。


ロストユーザーに密着して見に行っている人がいるかどうか。ほとんど見に行っていない。
確かに大変である。

ブルーオーシャンは気合の作業。
現地探索は3か月から半年かかる。ものすごくベタな作業。
気合と根性と粘り。

ここで、新しい戦略キャンバスを描ける要素が見つかるかどうか。

お金を払って見せてもらう調査では、よそいきのノンカスタマーの声しか見えてこない。
50人から100人くらいに突撃インタビュー状態でやらなくてはならない。


ノンカスタまーからヒントを得るには、代替品(サブスティテュート)のみでなく、オルタナティブを見渡す。


■市場の境界線を再構築する6つのパス

レッドオーシャンのトラップから逃れる方策

①「オルタナティブ」な産業を見渡す
②業界内のさまざまな「戦略グループ」を見渡す
③業界の「購買者グループ」を見渡す
④「補完的な」製品とサービスを見渡す
⑤業界の機能あるいは感性の方向性を問い直す
⑥将来にわたって外部トレンドの形成に関わる


■ユーティリティの簡易チェックリスト

①使い方を説明する必要があるか?
②インストールに手間がかかるか?
③何の役に立つのか説明が必要か?



・ユーティリティー →比類のないユーティリティはあるだろうか?何としても購入する理由はあるか?
・価格→マスの手に届きやすい価格か?
・コスト→目標コストを達成できるか?
・導入→導入の障壁にあらかじめ対処してあるか?




==質疑応答====================
ティッピングポイントリーダーシップはBOSにとって重要か?
そんなに新しい組織論とは思えない。


ディッピングポイントリーダーシップも
フェアプロセスもチャンキムのオリジナルではない。

組織論として、チャンがすごいわけではない。

ただ、組織論としてはこれまでの常識とは違うという人も多くいる。
変革プロセスを実際にやっている会社をみると意外とこれができていない。

ウォーターフォール型やカスケード型のような、上から下ろしていくやり方の方が多い。

=======================
ブルーオーシャン戦略はコンサルにとって、そんなに大した戦略ではないのでは?


私自身BCGにいて、コンサルをしたが、意図的にできていたかというと、正直で来ていなかった。
センスのいいコンサルタントは、部品部品はできているけども、意外と全部はできていない。


=======================

過去の成功事例にあてはめただけの、結果論ではないか?


共通要因をさがしたので、確かに結果論である。

実際にこれを意図的に使った事例があるのか?

新しい事例は守秘義務があるので、言えない。
ただし、事例としてはある。

=======================

全体的な流れの中で、どこに力をいれるべきか。

戦略キャンパスづくりのために
ファクター

覚醒→最初に作るときは、ファクターはどんどん出していく。
   本当に大切なものを絞っていくと、たいてい15個以内になる。
   世の中そんなに複雑な商品はない。5ー6個くらい。

戦略をつくって考えるとき
→あまりにファクターが多いとわかりにくくなる。
 いかに、簡単にわかってもらえるかが大切。
 ひとけたのファクターにした方がいい。


ブルーオーシャン戦略はローエンド戦略ではない。

結果として、ハイエンド商品になることがある。
シルクドソレイユなどは1万円以上になる。
既存のサーカスより高い。


======================

かえって価格が高くなる施策に理解が得られない場合が多い。どうすればいいか。


価格に関しては二つ大切なポイントがある。

①価格とコストは分けて考える。
コストと付加価値が相対的なものであることを忘れてないか?
コストの話ではなくて、価格ではない。

②価格を考える順番。
書籍のプライス・コリドー・オブ・ザ・マスの部分を読むと、価格がどう扱われているかがよくわかる。

========================

B2Bの場合のマーケティングでもブルーオーシャン戦略を使えるか?


答えとしてはイエス。
チェーンオブバイヤーズ。

社内と社外両方にある。
現地調査にあたっては、相手先の会社に行かないと、いけない。

=======================
星野リゾートがファミリー層を開拓したスキー場の戦略は、ブルーオーシャン戦略か?


ブルーオーシャンはマスを狙う。基本的には。
星野リゾートは、たぶん集中戦略。ニッチ戦略。
普通の競争戦略に於いて考えだされたと思われる。


価格は高くても一番取れる戦略もある。
一番マスで取れるなかで、一番高いゾーンにしようというのが基本ルール。

=======================

全部が全部ブルーオーシャンにする必要があるかどうかは別の議論。

=======================

Wiiをやっていると、また、性能がほしくなるのではないか。
ブルー→レッドになるのではないか。


それは、それでいい。

それ以上に、今以上にマスを狙うという概念。いかに顧客を広げるかということ。
戦略というのは資源配分の意思決定。
高機能に持っていくのか、サプライの方にシフトするのか。
マスへマスへと寄せていくのがブルーオーシャン。
=======================

ファイブフォースと組み合わせるのができないか?

→業界分析のツールである。日本でファイブフォース使うときの使用上の注意点。
これは魅力度を確認するツールである。

ファイブフォースは比較しなくてはならない。比較をするツール。
比較するためにはファイブフォースは使えるが・・・。

業界定義が大切。業界定義をぶらすかが大切。ぶらすかが、本当の使い方。
同時にも使えるが、相当に習熟度が大切。

=======================
グリッドで考えたときに、とんでもない付加価値をつけたり、根本的なものを捨てたとき
グリッドを選ぶ時に天才と凡人の差が出るのでは?

→出るが、天才が100としたときに、限りなくそれに近づけることはできる。

=======================

代替え品→オルタナティブへの発想の転換は難しい
その業界にいる人には難しいのではないか?

→本当に難しい。
一度聞いてもわからない、何回も聞いてわかるのがオルタナティブ。

見つかったとして、それを社内でコミュニケーションするときに、また、難しい。

自社の中だけでコントロールするのは難しい。
ある程度、そういうことに慣れた、ファシリテーターがいて、すすめるのがいい。

iモードも松永真理さんと夏野剛さんがいたからできた。
=========================

以上


[ 2009/05/11 00:00 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)
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ベネッセで雑誌とWebのメディアマーケティングを担当する部門のブチョー。ソフトバンク・アカデミア外部1期生(現在参加中)。
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