SLツーシン

いつもSmileでいたいと願うLeaderの、日々の気付きをとりとめもなく書き留めたブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

暴力はなぜ生まれて来たのか~人間性の起源~ 山極寿一

暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る
暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る (NHKブックス)


京都大学大学院理学研究科教授で、長年ゴリラの生態の研究をされてきた山極寿一さんのお話をうかがいました。

山極教授の専門はダーウィンの分岐進化論に基づき、人間の祖先に近い霊長類から、人間性の本質を解明しようするという、霊長類学の研究です。

お話の中で、人間性の本質にかかわる部分をうかがったので、関心を持ったポイントを・・・。



人類は狩猟技術の進化によって進化したのか?
ちがう。

狩猟は人類進化の原動力ではなかった。
最古の槍として現存している槍も、利用目的は狩猟用ではなかった。

それでは、何によって進化したのか?

人は食べられることによって進化した。
狩猟仮説の否定。
大集団。安全な留場。情報とコミュニケーション。
狩られるヒトとしての知性を身に付けるように進化した。

捕食者から逃れるための進化である。



類人猿にはの食物分配という特性がある。
サルやチンパンジーとちがって、類人猿であるボノボやゴリラは、要求に応じて食物を渡す。分配する。他者からの「分けてほしい」という要求に耐えられないから。

ただし、類人猿の食物分配にも限界はある。自分から進んでは渡さない。

ヒトは積極的に食を分配する。

人類(ヒト)の食の特徴は以下のポイント。
・積極的な分配
・分配を前提とした採集
・食物をとる場所と食べる場所の分離
・共食(食べるときに集合する)
・公共性(大盤振る舞い)

食は家族を超えたコミュニティの維持に貢献している。

これがヒトの特徴的なところ。



いつ、人間に特有な暴力が現れたのか?

それは、意外にも歴史が浅く、農耕という新しい習慣によって暴力性が強まった。


他の霊長類にはない集団への強い帰属心と奇妙なアイデンティティ
・定住生活による、境界の出現
・死者につながるアイデンティティ
・歌による集団意識の増幅
・言葉によるコミュニケーション


それは、共同体内の
・食の公開による家族を超えた交流と協力
・性の隠蔽とインセストタブーによる公の場における性の葛藤の抑制
によってもたらされた。

この2つの力が結果的に暴力を増長することになった。



(そして最後に以下のようにおっしゃっていました。)
そして今、グローバル化による境界の消失が起きている。
祖先につながるアイデンティティの喪失、通信革命によるコミュニティの崩壊によって、人間の暴力性が高まってきているのではないか?


以上です。

追記部分は個人的な講義メモです。
200906111夕学五十講 <知を楽しむ>暴力はなぜ生まれて来たのか~人間性の起源~

山極寿一 京都大学大学院理学研究科教授



長年ゴリラの研究をしてきた。
ゴリラは凶暴なイメージがあるかもしれない。
その誤解を解きたい。

凶暴だという印象があるが、実はゴリラの方が道徳的である。
なぜ、人間は凶暴性を持ったのか?

人間はもともと暴力的だという考えは
戦勝国である欧米で60年代に盛んになった。

犠牲になった国ではなく、戦勝国の方で心の痛みがあった。
その痛みを緩和するために、人間の持つ暴力性を考えたかったのではないか。



暴力とは
他者に対して物理的・心理的に圧力を加える力
(無法な力、理不尽な力)


攻撃には種類がある。
集団である仲間でやるのか?他の種類とでやるのか。

暴力を進化の視点から考えなくてはならなくなった。

霊長類学は、人間とは違うものから、人間性を明らかにするもの。
ダーウィンの分岐進化論に基づき。祖先に近い霊長類から
解明しようとした。

しかし霊長類の暴力は長い間誤解されていた。
そして、人間の暴力性も。

ゴリラは1860年にロンドン動物園で初めて飼育された。
その後多くの動物園で飼育される。

非常に危険なものである、と信じられていた。
繁殖をするようになったのは1960年以降。


それまで、人間はゴリラか黒人から進化したと思われていた。
黒人は進化の途中で止まった状態とおもわれていた。


間違ったイメージは長い間続いた。
誤解を招いたのは、ゴリラ特有のドラミング行動のせい。

ドラミングの意味
・自己の提示
・不許容
・状況の変換
・興奮と好奇心
・対等性の維持
・遊びの誘い



人類は狩猟によって進化した。


2001年宇宙の旅の冒頭シーン
動物の死体から骨を取りだして、武器にした。

狩猟採集によって、進化がつくられてきた。

今西錦司
日本霊長学の発想

河合雅雄
ニホンザルの生態 サルに名前を付けた

サルと人間の違いは家族という仮説

アフリカにゴリラを調べに行った。

霊長類学が明らかにしたこと

・異種に対する暴力と同種に対する暴力は違う
・同種に対する暴力は共存を前提にしている。
・葛藤の性質が異なれば、暴力の現れ方も、その解消法も異なる(食、性)
・集団の作り方が異なれば、暴力の現れ方もその解消方法も異なる。


群れをつくるのはメスである。
食物や、捕食圧によって、メスの群居性が決まる。
そこにオスが加わる。
同種による子殺しやハラスメントを避けるため。

人類は狩猟技術の進化によって進化した?
ちがう。

狩猟は人類進化の原動力ではなかった?

最古の槍も狩猟用ではなかった。

言語の使用は五万年前
農耕は一万年前


人は食べられて進化した。
狩猟仮説の否定。
大集団。安全な留場。情報とコミュニケーション。
狩られるヒトとしての知性を身に付けた。



人間進化のキーワード
・思考する者
・道具と武器を作るもの
・言葉とシンボルを使うもの
・狩りをするもの
・採集をするもの
・食物を共有するもの→これが人間性の最たるもの。
人間と霊長類を分けるもっとも特徴的なもの。


食物による葛藤を、優劣によって決めるかどうか。
これが一番の違い。


類人猿は第3者を問題解決に利用しない。
サルは3者関係を解決に利用する。
なので、人間で第三者に解決を求める人はサル的であると言える。(笑)

類人猿の食物分配
ボノボやゴリラは、要求に応じて食物を渡す。分配する。
他者からの要求に耐えられない。


類人猿の食物分配にも限界はある。
自分から進んでは渡さない。


人類の食の特徴
・積極的な分配
・分配を前提とした採集
・食物をとる場所と食べる場所の分離
・共食(食べるときに集合する)
・公共性(大盤振る舞い)

食は家族を超えたコミュニティの維持に貢献



食と性の葛藤

性は食と異なる欲求。

性は分配できない欲求
性は発情したときのみ。消費財ではない。
選ぶ、選ばれるオス。
とどまるメス、移動するメス。

発情兆候、発情期間、発情性比




葛藤の解決法

類人猿→第三者の仲裁。第三者は強いものである必要はない。
コドモでもいい。メスでもいい。メンツが保たれればいい。
勝敗を決めない。勝ち負けではない。
サル→戦いによって勝者を決める



霊長類の性の特徴
性周期に対応して周期的に発情する。
マウンティング
オスはメスの発情に反応して発情する。
去勢しても発情する。


チンパンジーには特徴にある。
オスはメスの排卵日を知らない。
交尾がメスがオスを捜査することに使われている。

メスが自分の発情兆候を利用している。



霊長類の祖先はわずかな発情サインを持っていたはず

単婚型は発情サインのない種から生じる。




オスの性的衝動と暴力

オスによる子殺しとは
他のオスの子孫を除きメスの発情を早め、自分の子孫を確実に残すオスの繁殖戦略


子殺しが発生する種の特徴

類人猿ではゴリラとチンパンジーのみ
子殺しはすべてオス。繁殖戦略として。


人の生活史の不思議さ
子ども期がある
青年期がある
繁殖能力を喪失しても長期間生存する。



これが劇的に違う。


人間は乳児期が短い。 オランウータンは5年
人間は離乳しても大人と同じものが食べられない。乳歯の時期だから。

人間の子は繁殖能力があっても、繁殖できない。
排卵ができるようになっても、妊娠できない時期がある。
2年くらいある。
男も社会的に繁殖に参加できない。これが青年期。


繁殖能力がなくなっても、長く生きる。女性は閉経を迎えても長く生きる。




脳の大型化がそういう状況をつくった。

人の子どもは生まれてから脳の成長にエネルギーをとられる。

人間は多子である。
人間は脳が育ってない子どもを多く抱えなくてはならない。

関係者がこもりをするようになる。


おばあちゃん仮説
・危険を伴う出産
・閉経時期の前倒し
・子ども世代の出産を補助し、孫の世代の生存価値を高める。

食糧を獲得する力も60歳を超えても衰えない。




いつ、人間に特有な暴力が現れたのか?
チンパンジーと人類社会の集団暴力による死亡発生率。




農耕という新しい習慣によって暴力性が強まった



他の霊長類にはない集団への強い帰属心と奇妙なアイデンティティ

・定住生活による、境界の出現
・死者につながるアイデンティティ
・歌による集団意識の増幅
・言葉によるコミュニケーション


それは、共同体内の
・食の公開による家族を超えた交流と協力
・性の隠蔽とインセストタブーによる
・公の場における性の葛藤の抑制によってもたらされた。

この2つの力が結果的に暴力を増長することになった。

そして今
グローバルによる境界の消失
祖先につながるアイデンティティの喪失
通信革命によるコミュニティの崩壊

人々はモンスター伝説の復活と暴力の行使によって失われたものを取り戻そうとしているのではないか。


モンスター伝説というのは、人間が森からサバンナに出るときに生まれたもの。
実は最近の人間はその伝説を多用することによって、アイデンティティを創出しようとしているのではないか。



では、どうすればいいのだろうか?

==質疑応答================

人間が本質的にもっている暴力と、戦争といった暴力は異なるものではないか。

今の戦争は違う。
私は内戦の場所にいた。

少年兵は家族を殺された恨みを晴らすために戦争をしている。
今の戦争は個人的な感情で動いている。
昔は国家の形成家庭における争い。
今は終わりのない、報復戦。

======================

暴力と自殺の関係は?
自殺が発生した仕組み。自分に対する暴力か?


今の自殺は違う

向こうの自殺は、不当な扱いを受けたことへの抗議の意味がある。


今の日本では、、、
自己実現が生きる目標として成立している
それが実現できないつらさ
そこで傷ついた人が立ち直る場所がない。

自己実現するためには、他者を排除しなくてはならない。


自分の居場所が分からない→自殺へつながる。

======================
ルワンダの内戦のときに現場にいた
内戦以前の20年くらいフツとかツチとかという概念はなかった


政治家が意図的に線を引いた。
そのことによって戦争が起きた

911もアルカイダという目に見えない、存在しない境界を引いた。

境界が無いと困る人たちが、意図的に境界を引いた。

======================



結婚という制度をどう考えるか?
日本の結婚の20組にひとつは国際結婚。
当事者同士の結婚であり、家が関係なくなった。

結婚の大きな意味は、集団と集団の関係性。

この流れが孤立へ向かった場合は良くない。

家族と個人との関係性は本来拮抗する。ジレンマ。
それを守ってくれるのは家族を超える大きな集団。

それを日本の古い社会は持っていた。



=================


どうすればいいのか?

地域社会の再生。
帰属意識のあいまいさ。

よって立つ場所がない。人間はコミュニケーションによって成立している。
食に関するコミュニケーションが大切ではないか。

================
宗教は必要なのか?

宗教というのは多くの人が集まり、心の平安を得る場所

==================

[ 2009/06/13 00:00 ] 講演会 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

最新記事
プロフィール

松崎哲也 (love365)

Author:松崎哲也 (love365)
ベネッセで雑誌とWebのメディアマーケティングを担当する部門のブチョー。ソフトバンク・アカデミア外部1期生(現在参加中)。
「発信内容は個人の意見であり、必ずしも組織の見解と一致しているわけではありません」

FC2カウンター
全記事表示リンク


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。